第22話 リビングアーマー円換算する
「さっきのを4、5回はできるけど?」
「あんだって……?!」
乙女にあるまじき表情でレオは見返してきた。
しばらく口をパクパクさせていたが、コホンッと咳払いを一つすると口を開く。
「ショーカン、私たちってお互いのことを知らなすぎよね。というか、あなたなんなの? 訳がわからないわ」
訳がわからないのは俺も同じだ。
「その通りだな。俺のなにが知りたい?」
と近くの岩に腰を下ろした。
「たとえば回復水、あれはかなり貴重なものよ。どうやって手に入れたの?」
「
「それがおかしいっての。カバンの中に入れてたら別のものと交換できましたって言われても信じられる?」
そうなのか?
「どうやら俺の
「え――? そうとしていくらになるかは知ってる?」
「知らん。(コッチの世界には)まだ来たばかりなんでな。良ければ色々教えてくれんか?」
「そうだったね、今は教暦295年。
ここはコンスタンティ皇国の迷宮都市、タレントゥムスだよ。私を追放したビル・スメルゲイドの父親、アルツール・スメルゲイド男爵が治めている」
教暦ってなんだ? 聞いたことねぇ国名出て来たぞ。
「俺が覚えているのは、レイワ五年。ニホン国で……あれ? 思い出せないや。
そのニホン国のどっかで地震にあって……気がついたらここにいるって感じだな」
「ニホン国? 聞いたことないね。
ところでさっきの回復水の話なんだけど、これくらいの瓶で銀貨一枚もするんよ」
と言って500mlくらいの瓶の形を手真似する。
ちなみに彼女たち庶民の主食は一番安い黒パンで、1個銅貨1枚だそうだ。
「銅貨10枚で大銅貨、大銅貨10枚で銀貨、銀貨10枚で金貨一枚なのよね」
ほぅ? 黒パン一個100円として、大銅貨がその10倍だから1,000円、銀貨はその10倍で10,000円。金貨一枚は、円換算で100,000円ってとこかな?
「なるほどな、ざっくりわかって来たぞ」
うむうむ、と頷いてると。
「でね、回復水さっきぶっかけてくれた量って、バスタブ一杯……瓶でいえば360本分あるわけ」
なに? 銀貨360枚分? 日本円換算で――3,600,000円?!
「ちなみにあと何回あれができるんだったっけ?」
えーと円換算で16,400,000円分くらい?
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