第20話 リビングアーマー反省中
そうか……すまなかった、そう言ってそのまま
――引き継ぎレオ目線です。
私の十歩くらい後ろから
茂みから
兎って言っても
それを目にも止まらぬ投石で撃ち落としたらしい。
「ねぇ、ねぇってば!」
言葉が刺々しくなるのも仕方ないよね?
「……驚かしてしまったか?」
腫れ物に触るような口振りに余計に腹が立つ。
「そりゃビックリするよ、アンタが先に歩いてよ。後ろから誘導するからさ」
「ああ、そうだな、そっちの方が安全だ。そうしよう、そうしようとも」
と
「しばらくまっすぐだよ。この先に茂みがあるから気をつけて、あ、さっきの
九層の地図(複写したの)を指でなぞりながら確認する。
九層は光苔が繁殖していて常夜灯くらいの明るさはある。
とはいえ細かいメモなんか見えないから、出現する魔物のマークと分かれ道の進路なんかを、針で
視線を前に戻すと
悪意とか害意は微塵も感じられないんだけど、警戒は必要だ。
「体の調子はどうだ?」
と背中越しに聞いてくるから、なんの話? と言いかけてハッとする。
そういえば渇きが癒えている。
頭から水を被ったからべちゃべちゃだったはずが、体に浸透するように水が消えて、服も乾いてきている。
これはもしかして回復水?
そんなバカな。一般家庭でも病気になった時くらいしか飲めないし、一瓶で銀貨一枚もする。
いくら
銀貨一枚といえば黒パンが百個も買える。そんなのを行水じゃあるまいし、頭からたっぷりかぶったとすれば気が遠くなりそうな贅沢だ。
とりあえず聞いてみることにする。
「ねぇ、さっき私にぶっかけたやつ。あれは回復水なの?」
「ん……? そうだが?」
めまいがしてきた。
「それ……もっと出せるの?」
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