第15話 レオと繋がるリビングアーマー
ミノタウルスへ一抱えある岩を投げつけると、腹へ直撃。
「ブホォウッ」
と間抜けな声をあげて、魔素をばら撒き消えていった。
――――レオ目線です。
「走れっ」と後ろから声が上がった。
その声に背を押されるように、必死に駆けて
あの
ここは
とても私だけじゃ、生きて帰れない。彼の生存が私の絶対条件だった。
不安に目を凝らしていると、飛んでは転がり、転がっては駆ける
ジグザグに走ってミノタウルスから逃げ回ってるように見えるが、あれはきっとああやって私が逃げる時間を稼いでるんだ。
脅威度が倍違う。
それは大人と子供ほどもある差で、手数では追いつけない耐久力の差でもある。
それでも生き残って欲しくて、声を上げるにはミノタウルスに見つかりそうで恐ろしくて。だから私は祈るしかなかった。
『なんかぶつける物わっ?!』
仕草で彼が何を探しているかわかる。
さっきみたいに何かぶつける物を探しているに違いない。
「あれと、あそこのと……あ、あれくらいなら?」
見ると一抱えもありそうな岩が目につく。さっきはゴブリンの頭くらいの岩も投げつけていたから、あれくらいなら投擲できるかも知れない。
「そこ、その先――」
彼に気づいて欲しくて祈るようにその岩と彼を交互に見る。と、私の中から何かがサラサラと抜けていく気がして、しゃがみ込んでしまった。
「どっせい――っ」
と掛け声が上がると、彼が持ち上げた岩を叩きつける。
それがミノタウルスの腹を直撃すると
「ブホォウッ」
と、間抜けな声をあげて魔素をばらまきながら、肉や毛皮や装備を残して消えた。
「ポチッとな」
変な掛け声とともに、彼の胸部が開いて瞬く間に吸い込まれて消えたけれど。
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