第10話 チーム結成


ーーーショーカン目線です。 


どうやら俺は条件をクリアして、五体を取り戻さねば人間になれないらしい。


「冗談だろ……」

 俺は頭を抱えた。

 現実はいつも不条理だ。受け入れなければ前に進めない。

 とりあえずスクロールをチェックする。

『◯頭

 ◯右腕

 ◯左腕

 ◯右足

 ◯左足

 ◯――

 ――――――――』

 

 

 ◯の中にチェックを入れるとゲットできそうだ。

 なにはなくとも頭か? 頭がなければ、飯も食えない――だが食った飯はどうなるんだろう?

 いやいやまずはやってみてからだ。


「アイテム頭、ポチッとな」


 目の前に浮かぶ(浮かんで見える?)スクロールに手を伸ばし、◯を触れると✔︎マークが◯に書き込まれ消える。

 ブワリと視界が揺れると息苦しさに襲われた。それもしばらくすると収まってくる。


「ハァ、ハァ、これで変わったのか?」


 恐る恐る顔を触ろうとして、フェイスガードに阻まれる。顎の留め金を外しフェイスガードを押し上げると目、鼻、口、がちゃんとある。

 ホッと安堵のため息がもれた。


「だ、大丈夫かい?」


 レオが遠間から気遣ってくれる。


「ああ、心配ない」

 と振り向くとレオが驚きで目を見開いた。


「アンタ……その顔?」


 俺の、ぬ? とした感じが伝わったのかレオが慌てて違う違う、と手をヒラヒラさせた。


「普通、死霊騎士リビングアーマーって顔見せないんだよ。顔があるってことも聞いたことなかったから」

 と恐々としている。


「問題ないぞ、全く気にする必要はない。問題はここからどうやって抜け出すか、だ」

 と優しく微笑んでやると、やっと落ち着いたのか笑い返してくれた。


「道案内ならできるよ。私、ポーターだから地理は頭に入ってるんだ。途中、魔物が出るだいたいの場所も」

 フンスと胸を張って見せる。


 なんてええ子や……。

 少しでも役に立ちたいとアピールしてくる。


「頼りにしてるよ」

 と軽く手を上げて、そのまま差し出した。

 ん? と小首をかしげる彼女に、ほれ、と手を突き出す。


「俺たちはチームだろ? そんなに恐々されてちゃ、連携もとれない」

 と小首を傾げ返す。


「チーム……そうだね。地獄で出会った死に戻り、チーム 『リボーン』だ」


 それだと再誕になるんじゃないかな? と思っていると、死に戻りreturn to deathとか縁起悪いし、と付け加える。

 空気の読める子だ。


「よろしく」

 と差し出した手を握り返してくれた。


「ああ、それで良い。俺たちはチーム『リボーン』。ここから生まれ変わるんだ」


 と歩み始めた。


🌟作者からのお願い🌟

 もしここまで面白いな! と思われたなら🌟🌟🌟下さいっ(*>人<)お願いしますぅ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る