第8話 リビングアーマー肩を震わす
どっちがオークだかわからない戦い方で、
こちらに向き直ると再び
「すまない、また驚かせてしまっただろう? 俺もいきなりこうなって困ってるんだ……つってもわかんねぇか。あ――あぁ・ゆぅ・おーらぃ?」
正座をしながら変なゼスチャーをしている。
奇妙な話だが、恐怖より興味が勝ってしまった。変な話だけど、私は彼に希望を見出している。
「あ、アンタ……
ひょっとしたら、このまま味方になってもらえないか、と。
できるかどうかわからないが、
「うおっ、日本語わかるのか? 助かるわぁ」
無邪気に喜ぶ
「ところで聞きたいんだが、ここはどこだ? なんか洞窟っぽいんだが?」
と意外なことを聞いてくる。
ひょっとして……?
以前、先輩冒険者に
『死霊系は生前の記憶を残している者がいる』
と聞いたことがある。
ひょっとして、まだ自分を人間だと思ってるんじゃないだろうか? 話次第では味方になってくれるんじゃないだろうか?
うっすらとした希望に
「来ないで、そのまま座って……お願いだから。ちゃんと教えてあげるから、そのまま座ってて」
すると意外にも素直に正座し直す。
「俺は
「アンタもついてない口なんだね。ツ……ツヴァイ、マサーキ?」
名前で呼ぶのは親近感を作り出す第一歩だ。だが、なぜか名前のところだけ聞き取りづらい。
何か変換されたような音に聞こえる。
「ツボイ・マサアキ」
「ツゥボイ・マサーキィ?」
「あーーめんどくさいから、ショーカンで良いや。ショーカンって呼んでくれ、みんなそう呼んでたしな」
ヌハハッと変な笑い方をする。
「さて、アンタはなんて名前だ? なんでこんなところにいる?」
「そ、それは……」
どこまで話して良いのだろう。
いろいろ考えた結果、正直に自分のこととこれまでの事を話すことにした。
「私はレオ、十五歳。
話し終えると
「ヒデェ話だ……なんて言っていいか――」
そしてグゥッと肩を振るわせた。
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