第7話

 「…来たか。何か言い残すことはあるか。」

「ないわ。いや、一個あった。私の分まで長生きしてね。」

「皮肉か。来世は大切にしてもらえよ。」


 彼女の胸に刃物が突き刺さり、手から地図が滑り落ちました。

鳴り響いていた轟音がぴたりと止み、月の光が彼女の血をキラキラと照らします。


「さて、お焚き上げの準備するぞ。薪をくべろ。」

「何だこれ?」

「この土地が書いてあるな」

「これは…地図か?」

「こいつ!!他所へ行こうとしてたな?!!」

「なんて事だ!"神"の分際で自ら他所に行こうとするとは!!」

「この土地がどうなってもいいという事か!」

「生贄のいない儀式…止まない豪雨…恐ろしい。全員死ぬところだったぞ。」

「静粛に!もう終わったことだ。だがこの神聖なる土地を守り続ける義務が我々にはある。寿命200年をもってして生まれた我々の運命だ。そして"神"はいずれ新たな命となり戻ってくる。この土地に関する全てのことは他言せぬよう、今後は外部と接触して"家族の和"を乱すような行為は決しさせないように。"家族の和"を大切にして身内の管理を徹底しろ。」

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