第2話 僕と初期設定とリバティライフオンライン
お父さん達から同意も貰えたし、一緒に説明書の確認も出来た。情報端末のリンクも僕と両親の分は終わったし、初期設定も一緒にやった!それじゃあ早速EEDを起動してみよう!
「首に巻いてっと。うん、大丈夫。苦しかったり違和感が在ったら頭でも良いみたいだけど、このまま使っても大丈夫そう。それじゃ、ボタンをポチっとな。」
キュィーーーン
首元に在る箱。そこにくっ付いているボタンを押したらEEDが動き始めた。ジジジジと何かを読み取るような音を出しながらずっと微振動してる。今身体情報を読み込んでるって事なのかな?説明書には心拍数とか脳波とかを測定してるって書いて在ったよ。
5分くらい経ったかな?ベッドで横になった状態で待っているとEEDの音が止まった。その後すぐに僕の目の前にウィンドウが表示された。
ダイブOK? YES/NO
「もちろんYES!」
僕は勢いよくYESの所を触る。そうしたらウィンドウが切り替わった。
ようこそ、電子の世界へ!
その表示が出た後に、僕の意識はどこかに飛び始めた。目の前から後ろに流れている光りの線。その奥で光り輝く光りの玉に向かって僕の体は進んでいく。
光りの玉の中に飛び込んだ僕は、ふわふわとそこに漂っている状態で止まった。
『ようこそ電子の世界へ!ここはEED起動時の待機ロビーとなっております。お客様は・・・・ミノル様ですね。初期設定はすでにお済の様ですが説明は必要ですか?』
止まった後に目の前に小さな光りの玉が飛んできて僕に声を掛けてくれる。初期設定はお父さんの端末から説明を見ながらやったから大丈夫!
『説明は不要なようですね。準備が整っている様ですので、早速ゲームを始められますか?』
「はい!」
『では遊ぶソフトを選んで・・・。ミノル様が遊べるソフトは1つだけですね。「リバティライフオンライン」このゲームを起動してよろしいですか?』
「お願いします!」
『では起動します。楽しいゲームを。』
「ありがとうございます!あっ!そう言えばあなたのお名前は?」
『私は使用者様の案内を仰せつかっているラビィと申します。では行ってらっしゃい!』
ラビィさんって言うのか。声からして女の人かな?
そんな事を考えていたら、ラビィさんの行ってらっしゃいの掛け声と共に僕の体はまた移動を始めた。その先に在るのは大きな大陸が描かれたリバティライフオンラインのアイコン。僕の体は加速しながらそのアイコンの中に突っ込んでいった。そして目の前が真っ白に染まった。
『ようこそリバティオンラインへ!ゲームの初期設定を始めます。』
気が付いたら白いキューブで形作られた世界に僕は立っていた。そして、目の前にウィンドウが浮かんでいた。また初期設定をしないといけないみたいだ。
『まずはプレイヤーネームを入力してください。』
「これはもう決めてるもんねぇ。ミノルっと。」
『ミノル様ですね。では次に種族をお選びください。』
「うわぁ、沢山在る!」
種族を選ぶ項目には普人種とか樹人種とか土人種とか色々書かれてた。試しに樹人種を選んで見たら、耳の長くなった僕の姿がウィンドウに表示された。ふむふむ、ここで自分好みの外見にも変えられるんだ。
「うーん、何が良いかなぁ。」
普人種はオールラウンダーで何でもできるけど、特化した能力は無いんだね。樹人種は樹々と親和性が高くて、自然魔法に精通してると。土人種は火と土の扱いに長けていて鍛冶が得意っと。
「うーん、運動が得意な奴とか無いかなぁ。」
『身体能力が高い種族でしたら、獣人種や種人種などがございます。』
このウィンドウって僕の質問にも答えてくれるんだ。獣人種って言うのは・・・在った!おー、獣人種と言っても色々種類が在るんだね。犬とか猫に始まって亀とか蜥蜴とかも居るよ。うげっ!獣人種にすると動物の種類は選べないんだ!獣人種を選んだ時点でランダムに決まるんだね。なまけものとかも在るしこれは無いかなぁ。
となると種人種って事になるのかな?えっとこっちの方は・・・。背は小さいけど手先が器用で足が速いんだ。体の小ささを生かした斥候とか、隠密行動に向いてると。何か忍者っぽいな。闇に潜んで素早く動き、敵を一撃で倒す・・・。良いね!戦士系の職業にもなれるし、体が小さい割にはかなり動けるって書いて在るからこれにしよう!
「種人種にします!」
『種人種ですね。では外見の設定をお願いします。』
外見は・・・。面倒臭いからそのままで良いかな?髪の色だけ変えようっと。うーん、種って言うくらいだから茶色かな。種ってグリーンっていうよりもブラウンってイメージだし。
『これでよろしいですか?』
「はい!」
『では初期設定を適用します。しばらくお待ちください。』
ウィンドウが表示された後に僕の体が光り輝いて形が変わって行く。背が少し縮んで視界の端に移る髪が黒から茶色に染まって行く。変化が終ったら、僕の体の光りが周りに飛び散って行ったよ。
『適用が終りました。違和感は在りますか?』
ぐっ、ぐっと屈伸したり少し走ってみたりして体を動かしてみる。うん、違和感はないね。
「大丈夫です!」
『ではこのゲームの説明をさせて頂きます。リバティライフオンラインはレベル制では在りません。このゲームはスキル制のゲームとなっています。またステータスの表示も在りません。在るのはHPとMP、そしてスタミナの表示のみとなっております。』
そう言えば僕の視界に赤いゲージと青いゲージに黄色いゲージが表示されてる。これがHPとMPとスタミナ表示なのかな?
「ステータスとかどうなるんですか?」
『種族特性としての身体能力に加え、スキルの能力が反映されます。ですが、数値として確認する事は出来ません。ご自身で把握して頂く事になります。』
そこら辺は感覚で解って行くしか無いのか。ちょっと不便だと思っちゃった。
『運動が苦手な方の為の補助機能もございますがご利用になりますか?』
「はい!利用します!」
このゲームを始めたのもこのアシスト機能が在ったからだもんね!使うなら、今でしょ!
『では適用します。体を動かしてみて下さい。』
おー!さっきより思った様に動く!これがアシストの力!これだけ自由に動くと気持ちいいね!
『初期装備の設定を行います。まずは武器を選んで下さい。』
「あっだったら剣をお願いします。お試しって出来ますか?」
『可能です。初心者の剣を出しますね。』
出して貰った剣は今の僕の身長の半分くらいだった。手に持って振ってみる。ちょっとヘロヘロだけどちゃんと振れてる・・・と思う。
『剣にしますか?』
「練習すれば大丈夫だよね?あっ、武器って後で変更できますか?」
『街で購入すれば可能です。』
うん、それだったら剣を使ってみてよう。駄目なら後で変えれば良いんだ!
『盾は装備しますか?』
「うーん、いや要らないです。」
身長の半分くらいの剣とは言っても、まだちゃんと振れないからね。盾なんか持ったらバランスが変わってもっと戦えなくなっちゃうよ。
『では最初の服のデザインを選んで下さい。』
服にも種類が在るんだ。うーん、どれも似たような物ばっかりだ。うん、それじゃあ何かの皮で出来たこの茶色い服と白いズボンにしよう。防御力とかなさそうだしね。
『では最初の資金として1500G(ゴールド)をお渡しします。これにて全ての初期設定は終了です。ここからは貴方の物語です。好きなように生きて下さい。』
「はい!ありがとうございます!」
『では、良きゲームライフを。』
ウィンドウに文字が表示されると同時に、僕の目の前は再び真っ白に染まっちゃった。向こうに着いたらどうしよう。まずは戦ってみようかな。MMOの醍醐味ってやっぱり戦闘だからね!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます