三十二筋目『オッサンじゃない!』
夢有羅布楽雅……こんにちは舞竹シュウです。
本編……の前に宣伝です! 新規さんがいるのかは分かりませんが。
ボーイミーツガール現代魔術異能バトルファンタジー、【『灰』の異端審問官】。未読の方はぜひご一読をお願いします。
作品リンク
https://kakuyomu.jp/works/16817330667631810050
では今回は『オッサンがかっこいい作品の名作率って高くない?』です。
皆さんはカッコいい中年キャラが好きですか? 私は大好物です。ホラ、40代後半から50代前半の老兵って感じの雰囲気が堪らないんですよ。
酸いも甘いもかみ分けた大人。まだまだ子供な主人公たちに大人としての背中を見せる感じも素敵ですし、歳不相応に大人びた主人公に大人として子供をさせてやるのもいい(尊死)。
バトルものだと、メインキャラたちが異能力染みた派手な戦闘なのに対して、拳銃やワイヤートラップなどの地味な武器で経験に裏打ちされた戦い方をしたりとかね。渋い、ハードボイルドなカッコ良さって奴です。
しかも過去回想とかが挟まるわけじゃないけど、最古参の部下の口からサラッと悲しい過去が語られたりする! で、本人はそれをずっと引きずって、半ばあきらめている。
そこに現れる若者! 交流を経てかつての自分や大切なものを思い出し、もう一度立ち上がるオッサン! 最高かな?
でもこういうオッサンのでる作品は有名どころ以外だと少ないんですよね(おっさんが主人公の作品は除きます)。特に戦記物以外だと全く出てこないキャラ造形だったり。
なんでかなぁ? と考えてみたのですが、何よりその扱いづらさが原因なのだと思います。
①いるだけで場面が引き締まるのでシリアスでしか出てこれない。
②基本オッサンである理由がない。
③役割をそれぞれに割り振られがち。
ではまず①から。これは致命的な問題です。異世界系、現代ファンタジーの大半はコメディタッチなものが多く、読者の皆さんはそのユルい雰囲気を楽しむためにやってきます。なのに胃もたれする重たいキャラを分かりやすく登場させる訳にはいきません。硬くなりすぎるんですよ。え、銀魂? ほら、何事にも例外はあるんですよ。
次に②。これは真面目にデカい。残念なことにオッサンにするより美人なおねーさんやイケメンにした方が読者人気も出るのでわざわざオッサンである必要はないんですよね。ファンタジー色の強い作品なら『実は二百年以上生きてるが見た目は呪いで若いまま』とか『そもそも長命種』など実年齢と見た目年齢を離す手段はいくらでも用意できたり。
なのでオッサンを出すにはそのキャラがオッサンでなくてはならない理由がいるのです。その理由付けが極めて難しい。
「うるせー! 作者の性癖だから出すんだよ!」と開き直ることが出来ればいいですが、世の中の人はそんなにメンタルが強くないのです。
最後に③。キャラにはそれぞれに役割や属性があります。師匠キャラだったり悲しい過去持ちだったり。そしてオッサンは得てして多くの役割と属性を持つポテンシャルがあります。つまり、既存キャラとの被りが発生しやすい(なお、年齢ごとに行動は変わると考えてかき分けができるのであればその限りではない)。
そんなにたくさんの役割を一人に与えるより、切り分けて何人かに担当させた方が人気も取りやすいですし、何より考えるのが楽です。役割の多いキャラはテンプレで考えるとテンプレ同士が衝突して大惨事になりやすい(個人の感想です)。
ところで「オッサンを出したいけど、書き方が分からない! オッサンの観察なんてしたことないよ!」という常識的なあなた。
ぜひぜひ『機動戦士ガンダムUC』を見ましょう。カッコいいオッサンが多数登場し、大人の背中の大きさや若者の青さがオッサンに与える影響など学び取れるものは多いはずです。あとは自分なりに改造して出力すれば、あら不思議、カッコいいオッサンの出来上がり。当時小学生だった私が脳を焼かれるくらいなので、子供にもわかりやすい上に深いキャラになるはず。
古のガノタからは賛否両論の本作ですが、キャラ造形は極めて秀逸なので、特にシリアスな作風を好む人は見てみては?(宣伝)。マリーダさんとか何食べてたらあんなキャラ思いつけるんだ……。おかげで年上のお姉さんが性癖に(隙自語)。
えー脱線しまくりですが。オッサンのカッコいい作品はいいぞ!
ではここまでお読みくださりありがとうございました。一話分だけでも読んでくれると作者はすごく喜びます。
【『灰』の異端審問官】
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