第2話税金について考える

 哲が思考クラブの部屋の扉を開けるなり言った。

「結局このクラブって何するんですか!」

「佐倉くんもやる気になってるれたんだな。私は嬉しいぞ」

丸がニコニコしながら言う。

「我が思考クラブでは皆で話すテーマを決めて考えを深める。ただそれだけだ!」

「え?それだけですか?」

「それだけだが、結構楽しいぞ。では早速話題を決めてみようか」

2人が話していると扉が開き、兎が入ってきた。

「あ、2人共もう来てたんだ。」

「兎ちゃん先輩。何か話題ありませんか?」

兎は少し考えた振りをしてから言った。

「強いて言うなら税金かな」

哲は驚いた。まさか兎ちゃん先輩からそんな言葉が出るなんて思っていなかった。

3人は席に着いて話はじめた。

「最近税金が高すぎて困っちゃうよ」

「消費税10%ですからね」

「だが、消費税が高いことは別に悪いことではないだろう。使い方を善し悪しは別としてな」

「きっと兎たちのお金は悪い政治家の懐に吸い込まれているんだよ!」

「そ、そうなんですか!知りませんでした!」

「おいおい2人共。そんな根拠もないことで騒ぐのはよせ。大体、救急車が直ぐに呼べる社会なんて幸せなものじゃないか」

「確かに、幸運な環境にいることは間違いないかも知れませんね」

「でも、もっと上の幸運があるかもしれないよ!『現状に満足していたら発明は生まれない』ってエジソンも言ってるよ。多分」

「え、言ってないんですか?」

「そんなの兎が知ってるわけないでしょ」

しばらく沈黙が続いた。

「私が問題だと思うのは、日本から優秀な人材が出て行ってしまうことかな。日本は税金が高いから他の国に行ってしまうということだな」

「でも、久住先輩。これ以上税金を減らしてもやっていけるんですかね?」

「少子高齢化が進んでるからな、社会保障費は増える一方だろう。そうなると厳しいのかもな」

「やっぱり日本にしかない魅力で優秀な人を惹き付けるしかないんじゃない?」

「兎ちゃん先輩の思う魅力って何ですか?」

「やっぱりジャパニーズ和食でしょ!」

「確かに和食は健康で美味しいって評判は良いけど……別に日本以外でも食べれるからな。日本に留まらせる程の力があるかは分からないだろう。現に今だって日本が1番和食は発展しているが、出て行ってしまってるではないか」

「じゃあもう日本食の店だけにするのはどう?」

「それ、もっと人が居なくなりそうですけど。マックも食べれなくなるんですよ?兎ちゃん先輩はそれでも良いんですか?」

「サムライマックだったら食べれるしー」

「それ和食判定なんですか?」

「もう元の話題がなんだったのか分からなくなってしまったな。まあ、思考クラブはこんな感じで話すのが主な活動だ。わかったか?」

「分かりましたけど……税金の話題をサムライマックっで終わらせて良いんですか?」

「ああ、もう疲れたからな」

「本日はこれにて閉廷ーー!」

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