第13話 玉作湯神社
ガタンゴトン ガタンゴトン
揺れる座席に、揺れる視界。
暖房機能はあるようだだが、隙間風がその効力を上回っている。
一月二日。三が日真っただ中の今日この日に電車に乗っている者は少ない。
ダッフルコートに、ブーツ、手袋。完全装備のつもりであったが、田舎のワンマン車両でもガランと冷え切った空気が素肌をさらした耳をさす。
「……耳当ても必須だったか」
とても先日軽装で吹雪の中を戦い抜いた者の発言とは思えなかった。
この辺りでは小学校は徒歩通学、中学校は自転車通学が基本だ。当然剣もその例に漏れない。その為電車とは縁遠い生活をおくっていた。
時々乗るバスの車内は夏は涼しく、冬は暖かい。バスの上位互換である電車であれば暖房設備は問題ないと思ったが、目的地は駅から離れている為一応防寒対策をしてきたつもりであった。
「―――ハクシュっ」
剣コートに首を埋めながら背中を丸めた。
「アンタ刀を持ってないと本当に駄目ね。記憶取り戻したんでしょ? もう少しシャキッとしたら?」
その様子を見て、剣の隣に座る人物、菅原望が呆れたように言った。
この三年ほど剣は特にやることもなく慢性に過ごしていた。しかし、それは改竄された記憶のせいで、それ以前の剣は【梅駆流】の修行に励んでいたことを望みは知っていた。
「うるさい。間違った記憶でもコッチは三年間それで過ごしてきたんだよ。急に変われるわけないだろ。あと、お前見ると余計に寒くなる」
剣とは反対に、ジャージにマフラーと手袋のみの姿の望は『はいはい』と肩をすくめて溜息を付いた。
「それじゃあ、目的地に着くまでにおさらいしとくわよ」
「またかよ。もぉ分かったって」
望の言葉に剣があからさまにげんなりした顔を見せた。
「分かってないから言ってるの! アンタ神話なんて殆ど知らないでしょ。【神ノ遊戯】で勝ち残るには、相手がどんな神の依代か知ってるのと知らないのじゃ戦い方が全然違うんだからね!」
「全部先に切っちまえば、全部同じだろーがよ」
「アンタねぇ……」
剣が使う剣術は『梅駆流』――速さの剣だ。
その実力は
「その速さが通じない相手がいるかもしれないって言ってるの! だいたいアンタ、アレから神様の御姿見れたの?」
「……いや」
望からの詰問に視線を逸らす。
「はぁぁぁ、そんな状態でよく敵陣に直接乗り込むとか言えたわね」
「だって三ヶ月くらいしかないんだろ?」
「それは、そうだけど……」
今回の【神ノ遊戯】では、まず県内で一人の代表を決める。その後七つの地方――北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄に分かれて、再び一人の代表を決める。そして残ったな七人がトーナメント方式で戦い、最後まで残った勝者が【神ノ遊戯】の勝者として願いを叶えてもらえる。
期間は年明けから次の
そんな剣を見かねて、望は溜め息とともに頭を抱えた。
「……いい? 私との戦いでアンタは間違いなく神の依代として、〝
「分かってるよ、ソレぐらい……」
剣は望との戦いで改竄されていた記憶を取り戻した。
その記憶の中には【神ノ遊戯】に参加する理由があった。しかし、【神ノ遊戯】で戦うには致命的な記憶もあった。
八雲剣は神を信じていない。
実際にソレを目の当たりにした現在でさえ、否定的だ。その存在にではない。その在り方に、だ。
この時期は特に思う。
初詣に列を成す人々。剣の家は天満宮の為やはり学生やその家族が多い。
年明けに控える受験に向けて最後の神頼みというヤツだ。
まったく馬鹿らしい。
そんな事する時間があるのなら勉強をすればいい。体調管理のため休むのもいいだろう。それなのにこんな寒空の中、眠たい目を擦って神頼みをして何になるというのだ。
実際に見たからには、存在そのものは否定しない。だが、そこに在るだけだ。何かを願っても奴らが何かをしてくれることはない。
そうでなければ、この世の全ての幸福が、不幸が意味をなくしてしまう。
人は辛い目に合うと、そこから這い上がろうとする。しかし、ソレが神の掌の上だとしたら? 幸福になれるかどうかが神の気分次第だとしたら?
誰もが頑張る事を、抗う事を、戦う事を止めてしまうだろう。
そんな神などいらない。
故に、剣は神を現界出来ないでいた。
押し黙る剣を見て望は改めて思った。本当に剣に遊戯の勝敗を託して良かったのかと。正直一対一の真っ向勝負では何回戦っても望は剣に勝つことは出来ないだろう。しかし、実戦。事今回の予選であれば望が剣に勝つ方法はなくはなかった。その方法を取らなかったのは望のプライドと剣への信頼によるものであったが、普段の気の抜けた剣を見ているとどうもその信頼が揺らいでしまう。
『次は
「着いたみたいね」
車掌の間延びした声を聞き、望をダンゴムシの様に丸まっている剣の襟首を掴んで立ち上がらせた。
全く世話の焼ける事である。
駅から目的地までは更にバス移動となる。観光地なのでこの時期だと臨時のバスが走っており、田舎では珍しく殆ど待たずにバスに乗ることが出来た。
玉湯駅は無人駅ではないが小さい駅の為、暖房など効いていない。これ以上剣を寒空の下に置いていてはこの後の勝負に支障が出てしまう。
「あったけぇ~~~」
バスに乗り込みむと生き返ったとばかりに剣が声を上げた。
電車同様乗客は殆どいないいためまだ、良かったが行儀が悪い事である。
しかし、剣は望がそんな事を考えているとは露知らず、座席から滑り落ちそうな程だらけて座っていた。知り合いとは思われたくなかったが、首根っこを引っ掴んでバスに乗り込んだため、後の祭りである。
快適は旅を味わっている剣と、人知れず地心地の悪さ感じている望がバスに揺られる事数十分。目的地に到着した。
玉造温泉
この辺りで随一の観光名所である。
「はぁ、やっと着いた。お隣さんって言っても車じゃないと中々不便だよな」
バスから降り体を伸ばしながら剣はブチブチと文句を垂れた。
しかし、それには望も同感であった。全国にも名が知られた観光地であるが、 剣や望がこの場所に訪れたことは殆どなかった。松江市内まで出る為の通り道。そんな印象しかなかった。
「せっかく来たんだからさ、帰りに温泉入って行こうぜ」
剣が望の方を見て、ニカッと笑いながら言った。
全くこれから戦い、もしかしたら望と戦った時以上の激戦が待ち構えているかもしれないのに暢気なものである。この強さこそが剣なのだろう。
「そうね。じゃあ、ささっとやる事やって来なさいよ」
望も剣に習って出来るだけ明るく言った。
「応よ。で、その何とかって神社はどこにあるんだ?」
気合と掛け離れた問いかけに望はガクッと肩を折った。
「あのね~出かける前に話したでしょう。やっぱりちゃんと聞いてなかったんじゃない!」
「だって、話長げぇんだもん。望も一緒に来てくれるって言うから、じゃあいいかなぁって」
「いいかな、じゃないわよ」
頭を掻く剣を呆れた目で見つめながら、『まあ、そうだろうと思ってたけど』と諦め顔で望は歩き出した。
「ほら、行くよ。ちゃんとついて来てよ」
「ああ、頼むぜ相棒っ」
剣はドンと望の背中を叩いた。
「……何よ相棒って」
背中を擦りながらジト目で望が問いかける
「だって【神ノ遊戯】で一緒に県内回来てくれるんだろ?」
「まぁ、そうだけど」
「それじゃやっぱり相棒じゃん」
そう言って不思議そうに首を傾げる剣に望はそっと溜息をついた。
「はいはい。分かったわよ。ほら行くわよ」
「応よっ」
剣は嬉しそうに先に行こうとする望の後を追いかけた。
玉造温泉は中央を流れる川を挟んだ二百メートルほどの間に、老舗の温泉旅館やお土産所、足湯やカフェがたち並んでいる。川沿いには桜の木が植えられており、春になれば絶好の花見スポットとなる。今は冬真っ盛りで桜の木も雪化粧をしているが、川沿いの足湯に使ってそれらを見るのもまた乙である。
剣と望は行き交う人々の間を縫いながら目的地に向かって行く。
「なぁ、神社何てなさそうなんだけど、本当にこの辺にあるのか? その何とかって神社」
「玉作湯神社ね。少しは覚えようとしなさいよ」
キョロキョロとお土産所を覗いたり、カフェの看板に釣られて立ち止まったりするところを望に引っ張られながら剣は疑問を口にした。
「ちゃんとあるわよ。私たちの地域と一緒でここも入口の所に神社があるの。私たちは通りの反対側から来たから、この通りの一番先まで行かないと」
「何だよそれ。俺たちの家の方じゃんか。やっぱり勝部のヤツ引っ掴まえて車出させればよかった」
剣は昨日の勝部の発言を思い出して口を尖らせた。
「あんまり勝部さんを困らせるんじゃないの。神社庁だって資金が潤沢なわけじゃないだろうし」
「はぁ、神社はどこも大変だな」
「他人事みたいに言わないの。私たちのとこは違う意味でもっと大変でしょ」
「はいはい。そうですけどね。お、ここ日帰りオッケーだってよ。帰りはココで温泉入っていこーぜ」
話の途中だが剣の興味は既に違う方へ向いてしまったようだ。
望はやれやれと肩を落とす。神社の話になると剣は途端に興味をなくしてしまう。望としてはそれがもどかしかった。同じ境遇に生まれて、自分だけが家に縛られている。望は剣とこの思いを共有したかったが、同時に剣には自由でいて欲しいと思う。今回の事で少しでもいい意味で剣が神社に興味を持ってくれたらと思う。
通りの端まで来たが、人混みが消えない。
それどころか増えている。
列成す人々の先に視線を向けると、通りの向こう側に石造りの鳥居が見えた。
「アレが玉作湯神社か? 何ていうかウチと感じが違うんだな」
剣の家の神社は鳥居に向こう側に社殿がバンっと鎮座しているが、玉作湯神社は違った。まだ鳥居の正面に立っていないからかもしれないが、ここからでは神社そのものが見えない。
「ああ、確かに剣のとこは参道やそれに続く階段が短いからね」
望も何か思う事があるのか鳥居の方をジッと見つめている。
剣と望は改めて初詣だろう、神社に向かって伸びる列に並んだ。
三十分程寒空の下で震えていたが、ようやく鳥居の所まで進んだ。
「何が楽しくてみんなこんな苦行してんだ? 家で炬燵に入ってミカン剥きながらテレビ見てた方がよっぽど有意義だろうに」
歯をガチガチと鳴らし、身震いしながら剣がボヤいた。
「罰当たりな事言ってないでまずは社務所に行くわよ」
そんな剣を望は問答無用で引っ張って行った。
社務所の前も凄い人だかりであった。心なしか若い女性客が多い様だ。
「ここの神社は数柱の神様を祀っているの。だから御利益も色々あるんだけれど、その中でも有名なのが縁結び」
剣の視線い気付き望が解説をする。
「お参りの仕方も独特で、まずそこの社務所で叶い石って言うのを買うの」
女子がキャッキャする中でそんなモノを買うなどとんでもなかったが、またもや望に無理やり引き連れられて行く剣であった。
「次はどこの神社も一緒ね。手水舎で手と口を清めてから、拝殿へ参拝する」
「うひぃ~冷たぁ」
絶えず水が流れているため問題ないが、流れがなければ凍っていそうな水温であった。
図らずも背筋が伸びる。
「で、この後がいよいよ本命。拝殿の後が本命って言うのも変だけど、でも郷に入れば郷に従え。神社にはそれぞれ特有の参拝方法があるわ。この神社では願い石がそうね」
「……この丸い石がそれか?」
剣の前には祠に祀られるようにして人の顔よりも少し大きい真ん丸の石があった。
「そう。これが願い石。その昔山から突然現れたらしいわ。普通石は人の手か流水でないとこんな風に丸くはならない。だから当時の人はコレを石の神様の御神体として神社に祀り願掛けをするようになったそうよ」
「へぇ」
流石神社の娘である。そばにある立札を見ずに石の由来を説明する望に、自分も神社の息子である事を忘れて感心する剣であった。
確かに丸い。現代ならまだ知らず、これを昔の人が作るのは確かに難しいかもしれない。いや、エジプトのピラミッド何かもある。結構無理ではないのかも……。
「お詳しいですね」
剣が罰当たりな事を考えていると、後ろから声をかけられた。
振り返ると上下が白と赤に分かれた神社特有の女性の衣装、剣は見慣れた、、望としては着なれた巫女装束を身に纏った女性が立っていた。
「貴女はさっきの」
「はい。先程社務所でお会いしましたね。私は
「え、高校生⁉」
望の言葉を引き次いで自己紹介をした女性の発言に剣は驚愕の声を上げた。普段だったら嗜める望も驚きを隠せないでいる。
確かに先程社務所で叶い石とやらを買った時に対応してくれた女性だ。化粧をしていないため肌のきめ細やかさがよく分かる。切れ長の目と後ろで一つに結わえられたロングの黒髪が印象的で、丁寧な対応が彼女を大人びて見せていた。しかし、
「まさか同級生、じゃ、ないよな?」
女性は化粧で化けるというが、この人は化粧をせずに化けている。剣にはそうとしか思えなかった。
「お二人も高校生ですか? 私は十七歳で、今年から高三になりますが」
あざとい。
凛々しい立ち姿のまま、顎に右手の人差し指を添えて、首を少し傾ける。困り顔も忘れていない。自分の容姿に自信がなければこうは出来ないあざとさである。
「・・・何見惚れてんのよ」
「あたっ」
スパンっと望に頭を叩かれる剣であった。
「でも、じゃあ私たちとは一個違いですね。私たちは今年高二ですから」
「まぁ、そうなんですね」
フフッと微笑みながら会話を続ける望と朱音。蚊帳の外に置けれた剣は避難の視線を望に向けながら、朱音の方にも視線を向けた。
(・・・・・・あれ?)
違和感。
望と楽しそうに談笑している朱音を見て感じたモノ。それはよく分からないが、何か引っかかった。
「~~~んんん」
「何唸ってんのよ」
違和感の正体を探すべく、朱音をマジマジと見ていると、望がなんとも言えない視線を向けてきた。
「……いや、どっかで会った事あるような……」
「何それ、ナンパ?」
「違うわっ!」
あらぬ疑いをかけられ、慌てて否定した。
「剣、あそこの川の水で私の分の叶い石も清めてきて」
しかし、そんな剣の様子などお構い無しに望が言った。
「はぁ⁉ 何でだよ。自分で行けよ」
あまりの理不尽な要求に剣が声を上げる。
「いいからっ」
しかし、先程よりも強い口調で言い返されてしまった剣は渋々その場を離れて行った。
その後姿を見つめる二人。
「どうして、彼を行かせたのですか? 正直あなたに用はないのですが」
巫女装束の女。石森朱音は困ったように望に問いかける。
「……この神社の依り代ですね」
望は固い口調のまま問いかけた。
「クスっ。はい。私がこの度の【神ノ遊戯】、玉作湯神社の依り代でお間違い御座いません。しかし、どうしてそれが? あなたには資格がおありのようには見えませんが、菅原望さん?」
「っ⁉」
困ったように片手を頬に当て首を傾げる朱音。しかし、その口元には笑みが張り付いている。
優越者が弱者を蔑む、そんな眼差しで望を視線で嬲ってくる。
どうしようもない悪寒に囚われ望は身震いする。
「敗者のあなたが立ち入る隙間はもうないはずです。先程の彼の為でしょうか。どうも神社に関しては無知なご様子。アレではいくら腕が立っても遊戯では勝ち進めないでしょう。神威も驚く程菲薄ですし。アレですでに一戦こなしているというのだから驚きです。おっと、そんな彼に負けたのがアナタでしたね。弱者が群れるのは勝手ですが、遊戯にかこつけて恋愛感情など持ち出されませんように。では、私はそろそろ戻ります。彼にはあなたから不戦敗を進められることをお勧めします」
そう言って朱音はスッと踵を返していった。
「お~い、洗って来たぞ。あれ、さっきの巫女さんは?」
そこへ剣が戻ってきた。きっと剣が戻って来るのを察知してこの場を離れたのだろう。望には様が用ないと言っていたが、どうやら初めから望に剣の不戦敗を促すことが目的だったようだ。
「――――ふざけんじゃね‼」
「え!? 何が?」
突然天に向かって吠えた望に、驚愕した剣は清めたばかりの叶い石を落としてしまった。
その後、怒天髪の望みを宥めながら、剣は再度叶い石を清めに行って、願い石に願い事をした。叶い石を願い石にくっつて目を閉じ閉じながら祈るのだが、見えなくても感じる望から溢れ出す呪詛のようなモノ。剣はここに来た目的も忘れて早く帰りたいと思った。
望がこんな様子では【神ノ遊戯】など挑めるはずもない。そもそも剣には誰が依り代化も分からない。
一旦落ち着こう。
剣は望を連れて玉造温泉街へと戻った。
カフェで暖かい飲みものを買い、足湯につかる。
「ふぅ~。生き返る」
寒さに加え、望の不機嫌。心身共に疲労困憊だった剣の口から
「……ゴメン。取り乱した」
隣でホットココアを飲む望みも少し落ち着きを取り戻したようだ。
二人は人混みを避け、通り沿いの足湯ではなく川べりの足湯に使っていた。
「で、いったい何があったんだよ?」
砂糖マシマシのコーヒーで口を湿らせ、川の流れを目で追いながら聞いた。まったくこんなのはガラじゃない。
「玉作湯神社の依り代は石森朱音だった」
「―――え?」
いきなりの望の発言に剣の思考が一瞬止まる。
「何でさっき言わないんだよ⁉」
そして、思考が追い付くと、互いにホットの飲み物を持っている事も忘れ望に詰め寄った。
「アツっ。ちょっと危ないな」
少し零れて手にかかったココアを拭きとりながら、避難の視線を送る望だっかた、剣の顔を見て申し訳なさそうに視線をそらした。
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