雷(思い出して追加しました…)

あたしは雷がにがて。おっかないから。





うちのミニチュアダックスフンドはそうだな、雷は…大好物だった。うん…………。







留守番中のこと、黒に近いグレーの分厚い雷雲が近づいて、お空がコロコロ鳴り出した。


ミニチュアダックスフンドは顎をちょこんとソファーの肘置きに置いて、窓の外を上目遣いで様子見してる。ただ静かに「お手並み拝見…」とでも言うかのように。


ついにピカ…!っと空が点滅する。





ーーーくる。


耳を塞ぐ腹をきめたあたし。


垂れた両耳をもこっと膨らませるミニチュアダックスフンド。



ガラガラドゴン❗バキッッ❗

絶対近くに落ちた雷音が響く。やだーーー。も〜〜〜〜〜。

心臓に悪い。

ジュワッと涙が目に滲む。


こころなしか家も怯えるようにミシミシ縮こまる音が聞こえる。



対しまして

ミニチュアダックスフンドは、雷鳴と共にソファーを飛び降り窓にからだをベタ付け。

ワンッッッッッ❗❗❗ウウッッッ❗グワッン❗❗❗❗❗と高らかに鳴く。

高速で振りすぎた尻尾は尻から5本生えてるように見える。

架空の生き物じゃんもう…。


雷がどこかに落ちるたびにミニチュアダックスフンドの宴は盛り上がる。


電球の下は家に落雷したときに直で感電するから危ないとどこかで聞いた情報を思い出した。


そしてあたしは電球からできる限りの距離をとってソファーとゴミ箱の隙間に立ち尽くす…ここが1番安全。落ち着く…。






雷雲が過ぎ去り、ミニチュアダックスフンドは優雅すぎる仕草で肉球を舐めてお手入れしている。

ロイヤルキャンディのcmとかフローラル柔軟剤のcmとかの仕事の話しが舞い込んで来そうだ。ルックスが大成功してる。




恐怖が和らいだだあたし、雷にビビり散らかしてる自分を誰かに見られていたとしたらってタラレバを考えてしまい。

背中を丸めて縮こまりながらウ…ッハズカシイ…ハズカシィ…ウウウッとうめいててた。我ながら特殊プレイ過ぎる。




あたしが軟弱なのではない…。

この肝っ玉ミニチュアダックスフンドがスペシャルなだけなのだ。









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