氷
うちのミニチュアダックスフンド食欲がかなり強い、飼い主によく似ていますね。
あたしがおもむろに立ち上がるとキッチンですか?同伴しますねってついてくる。
キッチン素通りするとおまえに価値はないみたいな顔される。
キンキンに冷えた牛乳が飲みて〜ってあたしはキッチンに立った。
もちろん足元にへばりつくミニチュアダックスフンド。
意思の強い眼差しと対峙する。俺に寄越せと。
あげるもの氷しかなくて試しに渡してみた。
今冬やし寒いけど毛皮着てるし暖房効いてるし、コタツでアイス食べるようなもんだろうと軽い気持ちで。
パクっ(咥えた)。ポト…(3秒で落とす)。ペロ…(味見)。
固唾をのんで見守ってしまう。
……(眺めている)。
飽き性のミニチュアダックスフンド、その場に座り込む。意外。
まああたしはこのキンキンに冷えた牛乳でも飲み干してくるか〜ってソファに向かう。
向かうはずだった。
なんか壁にコツンて当たる音したから見たら、あれ。氷落ちてる。
ディドドドドヂドドドドドドドド❗
うおん…。
ミニチュアダックスフンドの短い足が脅威の回転をして迫ってきた。ここであたしはピンと来ましたよ、お目当てはこの氷だと。え?咥えてほうりなげた?
ハアッハアッ❗興奮しながら壁際に氷を追い詰めたミニチュアダックスフンド。さあどうする、噛み砕くか。
カンッッッッ❗
ーーーーーーー蹴った。
サッカーだ。
あたしは今見事なドリブル練習を目の当たりにしている!?
思わず携帯にカメラを起動する。
カメラでは氷がどこかわかりずらく、しかし氷を追いかける狩人の目をした物騒な顔のミニチュアダックスフンドに写真がたくさん撮れました。
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