3話

喉に違和感を覚えその場で嘔吐して、周りを見るとそこは授業中の教室だった。いきなりの事で先生たちも慌てることもあったが、今日は早退する様にと言われ家に帰ると俺は座り込んで動けなかった。

「あれは、なんだったんだ」

そう、俺は食堂で倒れたはずだったのに気がつくと教室にいて何もなかった。それどころか、時間はまだ10時で昼にもなっていないまるで俺一人が夢を見ていたかのような話だが、あの痛みは忘れようとしても忘れられない痛みで、あれが夢だったなんて信じられず困惑しながらもリビングへ行くとそこには、両親の遺影の横に紅羽の写真があった。まるで紅羽も死んでしまっているかのような写真の並び方に恐怖を覚え、紅羽の部屋を開けるとそこは何ヶ月も人が入っていないかのような埃まみれの部屋だった。

部屋のドアに持たれかかれながら目の前の現実を受け入れられなくなっていると、目の前に明るい半透明なボードが出てきた。「パラレルワールド」そう書かれたボードは触れた途端スマホの様にスクロールしていく、何か分からないがそのボードには不思議な魅力があり、現実逃避のためにも書いてある事を読むことにするのだった。

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