<堕落した空間>
あの日、先生に言われたこと「あなたには無理だ!」とその真実の罵倒だけが頭の中にずっと残っている。ズキズキした頭を抱えてまた、今日もベットに寝転んで1人静かに天井を見つめる。
「あぁ、何でこんなことになっちゃったんだろう?」
2日前の日に先生に見捨てられ、時間の間隔が分からなくなるぐらいにネットを開いて寝てを繰り返した。
「あ、この欲しかったやつ。もう昨日で販売終了だったんだ………………昨日買っておけば良かった」
久しぶりに好きなアニメのウェブサイトを開いて、少し心を落ち着かせていたタイミングでまた目が涙で溢れてくる。
「あ~~~ズゥッッッ、何でこんな時にまた………………」
アニメを見て心を休める。自分だけの時間がこんなにも救いだったことに驚き、安堵する。コレクションやアニメを見てその中に自分の存在意義を見出す。例えば、推しがアニメに出てくるとそれだけに幸せになるぐらいには雨音は精神的に疲れていた。じっと、画面の中を覗いては、時々嫌なシーンに差し掛かり、感情がそっちに持って行かれる。
「何か食べないと、ちょっとお腹すいたな~~~」
歩き出そうとして急に足が止まる。リビングにはママがいて、今日どうして学校に行かなかったのと質問攻めを貰うに決まってる、絶対に!そうしたら、空腹の事なんてどうでもよくなった。
「今何時だろう?」
部屋の時計を見ると、すでに夜の11時半を過ぎていた。あれだけ大好きなものがこの空間に詰まっているのにどれだけ時間が経っても気持ちが晴れない。それどころか不安が大きくなっていった。私はこのままで大丈夫なのかと………………。
次の日、朝起きたら大丈夫になっている訳でもなく。下に降りて洗面所に行ってビックリした。顔が表情がまるで他人みたいだった。
「なに、これ?……………………めちゃくちゃ、ブサイク」
目は腫れぼっていて、顔全体的に真っ青になっていた。とても自分だとは思えない。
「フフッ、アハハ、ハハッ、ダメだ。なんて顔してるの私、こんなのまるで人生終わった人みたいじゃん………………」
言ってから気付いた。私はどん底に陥ったような気持ちを味わったけれど、まだ終わったわけじゃない。どれだけ趣味を好きな推しを堪能しても気持ちは晴れない。
「やっぱり、まだやり残したことがある…………………………それに、私の人生これからなんだから。趣味はやっぱ、気分のいい時に見るのが一番なんだから」
こうして、雨音は机に置いてあるあらゆるものをどけ、勉強道具を取り出して問題集を見る。
「ここの問題ってなんだったっけ?」
記憶を遡ろうとすると必ずあの先生が出てくる。頭を抱えながら2時間ようやく1ページ分が完成した。全部見ていい所が全然ない。この数日間のスランプが響いている。全く集中しても記憶が蘇って胸が苦しくなる。
「う~ん、なんであの時の記憶がもう少しでいつもの感じに戻れそうなのに!」
感覚ある程度では理解していても、他の感情が邪魔して、頭の中をぐちゃぐちゃに乱される。
「もう、基礎も全然ダメっぽいし、まだ心が落ち着かないし………………ちょっと休憩しようかな~~~」
この日、プラスにはなっていないものの自分を奮い立たせる一歩を刻んでいった大事な分かれ目になっているのであった。
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