<舟志薪音の誰にでも優しいという先生>

「それは私にも分からないって言ったんだとしたら訂正させてもらうは、私はちょっと疲れてただけかもしてないし、まあ休めば何とかなるわよ!」


 向こうからそんな声が聞こえる。舟志先生はBクラスではかなり頼られている方だと教室の中を覗けばわかる。いろんな生徒、学業に自信がある生徒、不安な生徒、男女問わずみんなとコンタクトを取っている。


「すごい!私にはできないや、聞くのはまた明日でいいかも…………」


 理沙はそう言って帰って行った。

 (彼女に行動力があったらもう少し、変わっていたのに。)

 舟志は帰っていく彼女をじっと見て、再び生徒に視界を戻した。


「先生この問題って、どうしたらいいんでしたっけ?どことどこを計算したらいいですか?」

「先生!私の考え方あってますか?けっこう文章を書くのが苦手で………………」


 私にはたくさん質問してくれる生徒がいる。それがどれだけ重要な事かこの学校に来てから分かった。頼られるという事はそれだけ教える立場としていろんなことに対応できる存在でなくてはいけないと。私はできる限りを尽くし生徒を上へ上へと導いた。

 その結果、Bクラスの担任と言うちょうどいい具合の役職つけてもらえた。だから、生徒を見ていく上で一切妥協はしない。もちろん私の生徒は救い上げるつもり、その上で勉学は一番大事になってくるもの。ここの判断基準は絶対的なもので今後の学校生活を作用してくる大事な要素だから落ちる生徒は落ちるだけ落ちて、自分を耐えさせられる生徒は、甘えることなく次の段階を乗り切る。Eクラスと言うイレギュラーなものが出来上がって誰が残るのか、私はとても興味がある。


「えっとね、ここの問題はそもそも、難しく考えなくてもこの教科書に載っている①と②の公式をうまく使っていけば、できるわよ!」

「あなたはそのままでいいんじゃないかしら、後は他の言い回しができたらいいわね」


 こうして答えることによって生徒が勝手に机に戻る。とても気持ちがいい空間だ。後は生徒が成長したかがテストの点数で分かるとても簡潔なもの。彼ら彼女らが成長することが私の幸福につながる、達成感につながる。そして生徒とはいい関係を築けている。


「Bクラスの担任で本当に良かったわ!みんなも疲れたと思ったら休憩してね………………そして、このクラスのために貢献してね」


 最後にボソッというとクラスを出て職員室に向かう。いつもこの調子で1日が終わり、それとは別によく手伝ってくれる足立くんや勉強は得意でも人間関係があまりうまくいかない西紀さんとも交流を深めて今の学生の接し方を見つけている途中。西紀さんはあまりコミュニケーションを取ってこなかったからというのが人と会話することが不慣れな理由なのは分かるけど、今の子たちを見ているとワイワイとしている印象が全体的に少ない。今の子たちは私にとって喜怒哀楽の面が薄れているんじゃないかなっと思う時がある。まあ、そんなところは気にしても仕方のないことだから何も言わないけど、もしBクラスの生徒たちにまだ改善の余地が成長が見込めるなら、私は何だってする。特に今困っている西紀麻子ちゃんには……………………。


「さて、困っている生徒を今日も助けに行かなくちゃっ!」


 今日も舟志薪音は先生として生徒の心配事を解決しに行った。

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