ギルド長、任務を思いついた。
スキルの説明画面を読むことにした俺は、近くにあったソファに寝っ転がった。
えっと...スキル説明
『スキル名:料理強化』
『説明:料理に関することが色々できる。』
ここは最初に見た時と全然変わってないな。相変わらず適当だ。
その下はっと...
『特殊効果:料理を一瞬で作れる。』
これは便利だった。フェルノックを倒したときも一瞬で料理されてなきゃ俺は倒れていただろう。
『派生スキル:』
『匠の技IV:料理がさらに美味しくなり、見た目も美しくなる。』
いるか?ただただ見た目とうまさが綺麗になるスキル?なくてもいいような気もするが...
まあないよりマシか。
『別腹III:このスキルで作られた料理を食べる際、空腹度が増えにくくなる。』
空腹度が増えにくくなるってつまり腹がいっぱいになりにくくなるってこと?それはいいのか?
『耐久消費減少II:調理道具の耐久消費が減る。』
調理道具って剣とかも含まれるのだろうか。そうだとしたらかなりいい。
『腹持ちIII:料理効果の持続時間が伸びる。』
これもかなり。持続時間が伸びるのはかなり強いのでは?
『狩猟技術II:調理可能な魔物や、動物をある程度安全に狩猟できる。』
ある程度って...強すぎる魔物を調理しようとしたら危険なのかもしれない。もしかしてフェルノック倒すときってかなり危険だった?
スキルの説明を一通り読み終わった後、急に後ろから話しかけられた。
「どうじゃ、おぬしスキルのレベルアップで何ができるようになった?」
「うぉ!!」
ギルド長か。びっくりした。相変わらず小さいな。
アンテナみたいな髪の毛がソファの背から飛び出ている。
「はい、何かいろんな派生スキルってやつを。よくわかんないやつもありましたけど」
すると
「おーおー。お前どんどん強くなっていくじゃねえか。さっき会ったばっかなのにな」
「もう俺達より強いんじゃないか?」
と、ギルド長の後ろから声がした。アルデンとレイデンだった。
「アルデン!レイデン!もう怪我は大丈夫なのか?」
「おう!!おかげさまでピンピンよ!お前のハンバーグすげえな!」
あんなに吹っ飛ばされて生きてるのは改めてすごいと思う。なんて頑丈なんだ。
「っていうか何で一緒にいるんだ?」
「さっき廊下であったんじゃ。こやつらがおぬしの仲間だということは知っていたからのう。ずっとおぬしの料理がうまいということを話しておって、腹が減ったわい」
作った甲斐がある。俺が作ったといえるのかは知らんけど。
そういえば、ギルド長が来たってことは、任務を思いついたのか?
任務って思いつくものなのか?
「そうじゃ。おぬしらにやる任務を考えておったんじゃが、ちょうどいいものを思いついたんじゃ。その前におぬしの仲間が一人おらんようじゃがいいのか?」
そうだ、エルナがどっか行ったんだ。どこ行った?
「僕はここで聞いてるよー」
と、二階のほうから声がした。
「降りてこないのか―?」
「うん、今面白い本見つけたー」
...自分勝手な奴だ。それともまださっきのことに拗ねているんだろうか。かわいいやつ。
「まあ、聞いてるのならよい。おぬしらにやる最初の任務。それは...」
それは?
「上層全般の調査じゃ」
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