ポータル

色々あって、なんか女の人に連行されることになった。

別に何かしたわけじゃない。でっかい竜を倒して、ハンバーグにしただけだ。

っていうか、この運び方どうにかしてくれないかな?女性に運ばれる俺、なんかかっこ悪い。


「あのぉ...俺自分で歩ける...」


俺の声を聴いた彼女は、脇に抱えた俺をちらりと見た後、


「......そうですね。私はなぜあなたを抱えているのでしょう?」


知らねえよ!何で俺に聞く?エルナみたいだな。

彼女は俺を降ろした後、俺に


「ついて来てください」


と言った。

しばらく歩いた後、目の前に紫色の光が見えてきた。


「あれは?」


彼女は俺のきいた質問を理解できなかったのか、首をかしげて、


「どれですか?まさかあのポータルのことですか?」


と聞いた。

あの紫のがポータルなのか。きっとこれも常識なのだろう。

いっぱいあるって聞いた割には行きで見かけなかったが。


「いや、なんでもない。早く地上に行こう!」


俺は知ってるふりをした。

ポータルに近づくと、その姿がよく見えた。

端のほうがうにょんうにょんしていて、真ん中のほうに渦巻いていっている。色も紫だけじゃなく、ピンクや、青も混ざっている。綺麗だ。

この中に入るのか。ちょっと怖いな。


「やけに張り切ってますね、さ、早く入りましょう」


と言い、彼女は先に入っていった。

おいおいいいのか、俺を見張ってなくて。

そう思っていると、


「まだですか?」


と彼女が半身だけポータルからだしてきた。

どういう仕組み!?

半分だけ体出せるんだ。面白い。


「あ、はい」


俺は目を瞑り、ポータルの中に足を踏み込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る