いざ、ダンジョンへ
エルナはダンジョンに入るまでの間ずっと話していた。今日の運勢とかインクがなくなったなどの無駄話も多かったが、いくつか面白い話が聞けた。
その一つがダンジョンに関することで、なんでも世界にはいくつかダンジョンが存在して、その中でも一番に大きいのがこの、フレイア大陸にあるダンジョンなんだそうである。
ここフレイア大陸っていうんだ。俺はこの世界のことをまだ何も知らない。今度エルナに地理でも教えてもらおう。
もちろん、彼女が知っていればの話だが。
彼女はどこからか地図を取り出し、指さしながら
「ダンジョンの最上層からは弱い魔物が出現して、どんどん深く進むと、本当に凶悪な魔物たちが待ち構えている。言わば、冒険者たちの実力を試す場所なんだ。」
エルナは少し興奮気味に笑いながら、こう続けた。
「でもその代わり、ダンジョンの奥深くには未知の力や財宝が眠っているとも言われている。だからみんなダンジョンに潜っていくんだ。実際、ダンジョンの奥深くに行って帰ってきた人が、億万長者に。なんて話もまあまあ良く聞くしね!」
財宝か。ダンジョンでお宝を探し出すのはロマンがある。
「さあ。着いたよ!ここがダンジョンの入り口だ。リュウマのバフ効果が切れるまでだけしか此処にいる予定はないけど、命を懸けて財宝を探す準備はできたかい?」
と、エルナは洞窟を指さして言った。
正直、あまり乗り気ではないが、財宝と言われるとわくわくする。まあ、命を懸けるといっても今回行くのは最上層だけらしいし、強いモンスターを狩りに行くわけでもない。一時間でいいものが手に入ったらラッキー程度だ。
「ああ、早く行こうか。でも初めてのダンジョンだから無理をしないで行こう」
「もちろんさ!最上層で死ぬなんて御免だからね!」
そうして俺たちは魔物たちが蔓延るダンジョンへと入っていった。
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