異世界、初食事。
「...へ?」
「...リュウマ、今なにしたんだい?」
俺に聞かないでほしい。俺も状況が把握できていないんだ。
食材が光ったかと思えば、一瞬で料理が出来る?まさかこのスキルがあれば、料理せずとも料理が出来るのか?
とんだぶっ壊れスキルじゃないか。1時間以上はかかると思っていたのに。
「お前、凄いな。あれだけの食材を一瞬で料理に変えることが出来るとは。あれがお前のユニークスキルなのか?先に言ってくれたら調理器具を用意せずに済んだんだが」
「す、すまん。俺も何が起きたか分かっていない。なにせ初めて使ったんだ」
「初めて?マジで言ってるのか?」
同じ事をエルナにも言われた気がする。初めてで悪いか?
「ああ、諸事情があってな。詳細は聞かないでくれ」
目の前にはホカホカの料理がある。おいしそうな香りもする。これがコンフィか?
ハーブ、鶏肉の香ばしい香りが俺たちの鼻を刺激する。
「ねえねえ、そんなことより早く食べようよ!僕のお腹はさっきからグーグーなってるんだ!」
どうやら彼女はもう待ちきれないらしい。彼女は鼻をヒクヒクさせながら、肉を凝視している。
「そうだな、俺も味が気になってしょうがない」
まあ、今スキルのことを考えていても特に何かが分かるわけでもないしな。食べてみるか。
「わ~い!いただきます!」
そういい、エルナはあらかじめ用意してあったナイフを取り、綺麗に肉を切り分けていった。彼女は骨の近くを取ると、改めて
「いただきまーす!」
と言い、いきなり肉にかぶりついた。犬っぽい...そう思っていたら
「うまい!ねえねえこの肉めっちゃうまいよ!」
と言い、エルナは尻尾をフリフリし始めた。
それを見てると、腹が減ってくるし味が気になる。
「お、おう。いただきます」
そして俺たちは、彼女の幸せそうな顔につられ、切り分けられた肉を食べ始めた。
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