金の単位、銭ー (ゼニ―)?
頭に浮かんだレシピには、聞いたことがない食材も混ざっていたがとりあえずそのままエルナに伝える事にした。
「とりあえず大蒜にんにく、塩、胡椒こしょう、生姜、タイム、ローリエ、オリーブオイルと鶏もも肉がいるみたいなんだが。全部分かるか?」
言いながら俺は思っていた。これは全部前の世界の食材の名前だ、異世界でも通じるのか?
が、その疑問はすぐに打ち消された。
「分かった!」
どうやら同じらしい。よかった。ここで分からないとか言われたらどうしようもないからな。
「鶏もも肉は骨付きでいいかい?」
なんとも犬っぽい質問だ。骨が好きなのだろうか?
「ああ、骨付きのほうがいい。骨の周りがうまいらしいからな」
「了解!じゃあ探してくるね!」
と言って彼女は奥のほうに走っていった。
どうにも料理の話をしているとそれに関する知識が流れ込んでくる。便利だが頭がパンクしそうだ。
数分もたたないうちに、彼女は戻ってきた。
「持ってきたよ!」
「感謝、早く買って料理をふるまってやる」
「わくわくするよ!」
彼女の眼はキラキラしている。こんな顔をされると早く作ってあげたくなる。
だが、俺は悲しいことに気が付いた。
「エルナ、悪いニュースだ。俺、金持ってない...」
「......」
そう、俺は無一文だった。女神は俺に一銭も(この世界の金の単位はわからないが)金をくれなかったのだ。
「...しょうがないな、僕が買ってあげよう!」
「いや、それはさすがに悪いだろう」
「いいんだ!リュウマも早く自分のスキルを試したいだろう!それに、僕も早くリュウマの料理を食べてみたいし、僕たち仲間だろう?なによりお腹が空いたしね!」
「そうか。すまない。お前にばかり頼ってるな。絶対にうまい飯を作ってやる。」
「よろしく頼むよ!」
会計にて
「全部で2000ゼニーだ」
「2000!...高いな...」
どうやら無理をしているらしい、というか金の単位はゼニ―なのか?漢字にしたら銭ーじゃねえか。
「無理そうなら別にいいんだ」
「いや、どうせこれから一緒に稼ぐんだ!ゲンを担ごうじゃないか!これを買ったら早速ダンジョン近くに行って厨房を借りよう!」
ここまでされては逆に不安になってくる。ちゃんとうまくできるのだろうか?出来なくても気合でなんとかするしかないか。この育ちざかりに見える獣人にいっぱい食わせてやらねば。
そう思いながら、俺たちは初ダンジョンへ向かうのだった。
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