悩める創作者へ

三丈 夕六

オリジナルとは?

 創作において最大の悩み。それが「パクリ」問題である。


「書こうとしたアイデアが既にある」

「読者からパクリと言われたらどうしよう」

「完全オリジナルしか認めない」


 ↑のような考えで書き出せない。筆が止まってしまったという経験はないだろうか?


 本エッセイはそんな創作者達に向けて1つの考え方を提供し、一歩踏み出すお手伝いをする為のものである。


※コピペなどの明らかに盗作だと分かる物を容認するものではないので悪しからず。



それでは本編へ。




◇◇◇


 これ(話、アイデア)って既にある?


 この悩みは非常に多い。これで新米創作者が執筆を断念してしまう例を数多く見て来た。


 しかし、これは仕方がないことなのである。物語という物は紀元前より存在している。口語伝承や民話、神話など。人類の歴史と共に物語は生まれ、語り継がれ、あるいは読み継がれて来た。


 好きな作品には元ネタがあり、その元ネタにおいても元ネタが、さらに遡ると……という形である。「影響を受けた」という言葉に置き換えても良いかもしれない。


 それによってある程度のアイデアは人類の中で出尽くしてしまったといっても過言ではないだろう。



 だからこそあえて・・・言いたい。



 創作者は0から1を生む存在ではないのだと。



 これはなぜか。自分の中で物語が生まれるプロセスにおいて、必ず何かしらの作品、物語の影響を受けているからである。


 そこに、自分という人間の価値観、人生、フィルター(解釈)を通すことで新たな物語が生まれる。


 つまり、そもそもの物語の構造というのは



 影響を受けた作品×作者の価値観(フィルター)=作品


 という形となっているのだ。



 別として↓のような組み合わせ例もある。


 影響を受けた作品×影響を受けた作品×作者の価値観(フィルター)=作品



 そこに「人に理解してもらえる内容」という概念を入れると、さらにストーリーの型は決まって来る。他者に受けるストーリーラインはある程度決まっているのである。もちろん例外もあるが。



 これは一種の縛りプレイである。この概念を理解せずに創作しようとした時、書けなくなってしまうのである。書く物に迷いが生じてしまうから。



 ここでは挙げないが、映画などの有名クリエイターのインタビューを見てみると同じエッセンスの言葉を残している。クリエイターのインタビューには気付きが多いので是非読んでみて欲しい。庵野秀明監督などは特に分かりやすい。


 また、日々SNSの創作界隈を覗いていると、どの媒体においても同じなのだ。皆パクリとの葛藤によって作れない、辞めてしまうという現象が起きている。創作という行為においてこの問題は普遍的な物である。



 つまり何を伝えたいのかと言うと



 「パクリと思えようが被っていようが自分というフィルターを通して書けばオリジナル」なのである。


 貴方が書こうとした物語と他作品が被った?


 ストーリーは?

 キャラクターは?

 視点は?

 メッセージは?


 全て同じだろうか? あり得ない。



 グダグダと説明してしまったが、要は気にせず書けば良いのである。



 貴方が真剣に作った物こそオリジナル。



 例えパクリと言われようが気にせず書けば良いのである。



 創作者は0から1を生む存在ではないのだと言ったが自分ではこれに続いて下記のように思う。


 1から新たな1を作るのが創作者。


 それが受け手によって1.2や1.5のように感じることもあり得ると。



 それではどうぞ頑張って。



 三丈は全ての創作者を応援しているよ。




 ちなみにだが……。



 自作の下記作品は有名な古典童話を下敷きに書いた物である。メッセージを現代日本ライズし、web小説として肉付けした方法で作っているが……。


 元ネタ分かるだろうか? このエッセイを投稿した12/28現在。今の所誰にも指摘は受けていない。これも一種のオリジナルだと自分は考える。



外れスキルの大師匠〜スキル「にげる」しか持たないRPGの最弱ボス【悪役貴族】に転生した俺は、死にたくないので原作知識と知恵を駆使して勇者【ヒロイン】を最強に育て上げ、死亡イベントをクリアします〜


本編URL

https://kakuyomu.jp/works/16817330664280809351


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