第2話 過去

まず、簡単なルールをプロ基準で簡単に説明します。

15人1チームで、攻撃と守備で別れており、ボールは前に投げてはいけない。攻撃はボールをゴールまで運ぶのだが、運ぶ方法は相手の間を抜けるのが基本であり、守備はそれを止める。つまり全力でぶつかること多く、相手を触らないように逃げることもあるが、よく見るシーンはぶつかるところだろう。試合時間は前後半40分で、得点が多い方が勝利となる。他にも細かなルールや見どころはあるが、ラグビーをやること自体がメインではないのでザックリと。


マサシは小学4年生からラグビーを始めた。きっかけは父が高校でラグビーをやっており、その影響で半ば無理やり始めた。地元のラグビースクールはできたばかりで、県内では他も発足されてから数年しか経っていない。つまり県としてのレベルは低い。練習日は毎週日曜日の午前、マサシはスポーツは嫌いじゃないが、ラグビーというのはすごく痛いスポーツで怪我もよくある。そんなのを週末の朝からやらされているのだ。マサシは嫌々でやっており、上達しなかった。大会では他のスクールに惨敗しており、そもそもチームとして出来たばかりで選手だけでなく指導者全員が未熟だった。そんな中マサシはベンチで試合に出る時間は5分がいいところであった。マサシは悔しいという感情もなく適当にに流していた。

中学では基本的に学内の部活とそのままスクールでやるという選択肢がある。しかし、三重県はラグビーは盛んでないため中学で行っているのは一校のみでマサシの家からは遠いとこであり、スクールでやることが決まっていた。このまま適当に3年間を過ごす予定だったマサシだがここからが大躍進だった。マサシは中学2年ごろから成長期が来て、身長は一気に約170cmまで伸びた。成長期で食欲も増し体重も約70kgまで増えた。そこからのラグビーは相手を簡単に吹っ飛ばし、守備でも豪快に相手を止めた。マサシはラグビーが楽しくなった。元々の運動神経は良く周りから期待された。マサシ自身も自分の強さに惚れた。そして3年に上がる頃に県選抜に呼ばれ東海地方予選、春の選抜大会でスタメンに選ばれた。しかし結果は惨敗、1人がどれだけ強かろうとチームスポーツである限り、勝つことはない。そんな中試合を見ていた大阪にある高校でラグビー強豪校の監督がマサシに目をつけた。推薦枠をもらい、大阪の高校に進学した。


そこから高校3年間で公式戦のメンバーに入ったのは1回のみである。マサシは挫折した。井の中の蛙とはこのことなのかと、マサシの年のチームは冬の全国大会で優勝を果たした。その時マサシは応援をしていた。別に手を抜いたわけでもない、全力で練習にも参加もした。しかし、マサシはこの時175cm、80kgと一般的な日本人では良いスペックではある、しかしラグビーでは平凡だった。食生活では大量の食事を平らげた、筋力も増やした。技術も磨き上達した。さらには海外の試合を見て勉強もした。徹底的に足りないものを補った。それでも公式戦出場回数は1回。それも記念試合の予選1回戦の絶対に勝てる相手との試合。これといえる見どころもなく高校生活を送った。


マサシのラグビー人生は高校で幕を閉じた。


そして、大学でとある2人と出会い、マサシは新たな道へと歩むことになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る