行動の先にあるもの

@jamusa

第1話 日常

俺の名前は宮本将志、周りからはそのままマサシと呼ばれている。今年度から大学に入学し、ただつまらない毎日を過ごしている。地元は三重県、大学は愛知県の大学で偏差値は高くも低くもない文系だ。春学期、講義が始まり学籍番号の近い人から交友関係を伸ばし友人はできた。一週間経ったが特に何もない日々を過ごしている。


今日の講義が全て終了し、帰ろうとしていると、

「マサシ!帰りにスポッチャいかね?」と学籍番号が一つ前の男が声をかけてきた。彼は大学で最初にできた友人であり、コミュニケーションがとても上手い。何を隠そう俺からではなく彼から話しかけてきた。そこから俺の交友関係を広がり助かっている。彼の名はマサヒロ、俗にいう陽キャだ。

「お前もこいよ!女子も一緒に来るからよ。」

俺に顔を近づけコッソリ言ってきた。そんなことを言われたら行くしかないではないか。

「なら行くしかないか。」

別に女子が来るというからではない。多分。

マサヒロは車を持っていて祖父祖母なら車を譲ってもらったらしい。7人乗りのミニバンで女子3人、男子4人で俺たちはスポッチャに向かった。


スポッチャに着きスケートやバスケ、バッセンと楽しく遊んだ。そんな中、1人の女子がテニスをやりたいと言った。なんでも元テニス部だとか。負けた方がジュースを奢るということでダブルスをやることになり男女混合で組むことになった。1人余るじゃないか、これは進んで審判役になるかイヤ、それは今後でもいいように使われてしまうのではないか。そうこう考えているとマサヒロが「俺が審判やるからこれでちょうどになるだろ?」

なんてやつだ。ここで自ら進んで審判をやるとは。そして2人1組に分かれてテニスを始めた。大学生になると容姿を気にすることがあり、さっきまでは全員本気で体を動かしていなかった。その証拠に誰も汗ひとつかいていない。しかしジュースをかけることで全員が本気になった。俺も本気を出すか。目の前に来たボールを淡々と返していた。ペアの女子があまり運動が得意ではなくそれをカバーするように動き返球していた。緩いボールが来たのでスマッシュで返した。その後俺たちは負けたが周りからは驚かれていた。

「マサシ、めちゃくちゃ動けるじゃん!」「そういえば少し筋肉質な体してるなって思ってたけど高校で部活でもしてたん?」周りから興味を持たれた。

「小学生から高校までラグビーをやってたんだ。実は動けるタイプなんで。」と俺は得意げに言った。「ラグビーってめちゃくちゃ怖いじゃん!よくやるねー。」このセリフは俺がラグビーをやっていると告げるとほぼ高確率で帰ってくる。

俺は「慣れたらそんなに怖くないよ。」テンプレの返答。そんな中マサヒロは「そういえばウチの大学って強化指定クラブにラグビー部あったけど、大学でもやるの?」

「もう疲れたからやらないよ。そもそも部活もサークルも入らないつもり。」


そう、俺はもう金輪際ラグビーなんてやらない。

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