第6話 Bar【酔いどれ船】にて……

「 ヒーック……オエエエエエエ」

誰かが嘔吐する声が聞こえた。

「こいつ何者でしょうか?」

と聞く声が聞こえた。

「わからん、だがわたしの名前は知っていた」

目を開くと、その目の前には……

【中原中也】と【田中英光】と【織田作之助】の姿があった。

「ひよっとしたら【…………】のスパイでは?」

「尋問する必要がありそうですな」

するとすでに出来上がっている【ナカハラ】が現れると……

「おめえ、何者だ!?」

と酒臭い口を近づけて言うのであった。

【ダザイ】は素っ裸にむかれ、縛られていた。

「青鯖が空に浮かんだような面しやがってよ……」

と言う風に昔のように絡んでくるのであった。

「おめえ1体なんの花が好きなんだ?!」

聞いてくる。

「……桃の花」

「かーっ!? おめぇこれだから……」

言うとゲロゲロゲーという次第なのだ。

……すると。

「お前は何者なんだ?!」

【オダサク】が聞いてくる。Yシャツに黒い皮のジャケットを羽織っている。

【太宰治】

「祖国(くに)は?」

「日本国だ……」

振り返り、さぁといった風にかざしてみせる。

「日本国なんて聞いたことがないぞ!」

【サカグチ】がツカツカと

歩み寄ってくると。

「お前は【龍之国】の出身(スパイ)じゃないのか?」

と片手には鞭を手にしている。

「そこのパイプに聞いてくれよ、なんでも俺は世界を救う救世主らしいじゃないか?」

返す太宰。

「パイプが物を言うかばか野郎が!」

【オダサク】がバシッ!と 頬を打つ。

「じゃあ、試しに火をつけてみろよ」

泥酔した【ナカハラ】がパイプに手を伸ばしているのが見える。

(よし、その調子だ)

ニンマリと笑う【ダザイ】そして……シュボッ……シュボボボ【ナカハラ】が覚束ない手で火を付けるのが見えた。

するとであった……ドロンと金髪の魔人が現れるのであった。

「うひゃあ!?」

と腰を抜かす【ナカハラ】

「なっ!? 」

腰に差した南部拳銃に手を伸ばす【アンゴ】

「おおっと……うごくんじゃないよ! そこの酔っぱらいせめてわたしが消えてしまう前まで吸い続けるんだ」

と言うと……【ナカハラ】一生懸命に苦しそうにパイプを吸い続ける。

「お前……まさか【蒼目之悪魔】」

【アンゴ】が思わず絶句する。

「その御方はな予言にある、勇者様さ! 早く枷を外して、服を着させて差し上げろ……」

と言う魔人なのであった。

チャッチャッと【ダザイ】に服を着せると……

「ようこそ、お越しなさいませ勇者様bar【酔いどれ舟に】……」

とパイプをふかし続ける【ナカハラ】続ける以外ひれ伏すのであった。

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