第16話 遠恋終焉、近恋開幕!

第16話 無理っしょ!


横浜市民は、最初から禁など解いていた。

北海道組は、横浜市民への最後の奉仕と思って

SNSはマメにおこなっていた。

(最初から……は、いかにも不躾だ)。

(彼等も4月5月は努力をしていた)。


遠くの「恋人」より近くの「隣人」が

尊くなってしまったパターンだ。

(神奈川県勢だと使用字数が合わないので)

(最後に来て字数を合わせようとしている)。

(横浜市民……が新たな表記だ)。


子作り宣言(不避妊宣言)なんて

北海道組の二人には口が裂けても言えない

横浜市民の二人。真剣故に、尚更言えない。

子作り宣言の推薦/伝播はどうか?

手さえも結んだことのない二人に対して?

(手を結ぶのは特別な人とだけ)

(そんな純粋な思想が二人の仲を保っている)。


遂に、だれかがこぼしてしまった禁句

「遠距離恋愛、無理っしょ!」

全員に受理されれば

「A男a女」「B男b女」の括りは

事実上、解消/解散となる。


まんざらでもない空気にはなったが

グループ通話でのハプニング。

状況を客観的に見たら、

北海道組からの意見だと思われ。

横浜市民からの意見だと何様だろう。


とにかく、一人が代表して

遠距離恋愛は無理だと宣言した。

この無理無理宣言により、

各々のエリアで自由な恋愛が可能に。


グループ通話を一旦切って、真剣に今後を話し合う

北海道組の二人。横浜市民は半ば茫然だが

来る日が来たか、そんな心持で

通話が終わった液晶画面を凝視する。


物語の〆。遠距離恋愛は事実上終わったが

対義語的な近距離恋愛が始まろうとしている。

(横浜市民は一足先に開始)。

(北海道組は近しい距離で)

(書籍の話題に花を咲かせることは叶うだろうか?)

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遠距離恋愛、無理っしょ! 作家:岩永桂 @iek2145

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