※閲覧注意 今話題の戦犯ちゃん

 プロフィール


囚人A 性別:女 B83/W68/H87


犯した罪

・文民の居住区域に対する無差別攻撃

(ジュネーヴ諸条約第一追加議定書違反)

・公正な裁判に基づかずにゲリラを処刑

(同上:第44条4項)

・ゲリラへの報復に無関係の住民を集団懲罰

(ジュネーヴ第4条約違反:33条)

・民族を破壊する意図に基づく集団殺人

(ジェノサイド条約違反)



 あんまり国際法等々に詳しくない自分でもよく分かるこの文字列のヤバさ、こんなキャラクターが、最近Xのトレンドに上がった。


「プルフェイド・リュパール@purufeido

 https://twitter.com/purufeido/status/1742153101426176389/photo/1」


 この方のこのポストがきっかけで広がったこのネタだが、まあ凄い。色んな人が色んな角度からこの俗称戦犯ちゃんを解釈して、様々な絵や文章が上がっている。


 「可哀想は抜ける」「可愛いは正義」や「悪人だから何をしても許される」等の精神から、最初は多くの人がエロ目的で拡散されると思っていた。

 しかし、ここで初めて「可愛いは正義」の価値観が敗北した。


 とまあ、そうゆう方面からこの話を深堀もできるが、普通に怒られるかもしれないし、自分が話したいのはそっちではないので、この話はここまで。



 以下のようなポストを見た時、自分は色々考えた。


「幼い頃から教わった常識が間違っていると認識できていない~」

「必死に自分が行った事の正当性を説くが理解してもらえず、さらにヤバいことを口にしてしまう~」


 というような、簡潔に言えば「戦犯ちゃんは一切悪いことをしたという認識がないまま捕まっている状況」というものだ。


 この場合、死刑は正しい処遇なのだろうか?



 例えば、今我々が虫を殺したとしよう。鬱陶しい蚊でも、たまたま踏みつぶしてしまった蟻でもいい。

 それは人に咎められる行為か? 否。


 虫を殺したことで死刑判決を受けるのはバカバカしい。


 しかし虫側からしたら? それは間違いなく我々が言う『殺人』の行為に値するため、大量虐殺すれば死刑だろう。



 そう、虫を殺しても罪に問われないのはそうゆう「常識・普通」が自分たちが生きる世界に通じているからだ。

 戦犯ちゃんが生まれ育った国では、隣の国は皆「人」に似た「虫けら」しかいない、だから何をしてもいいと教え育てられれば、確かに虐殺に罪の意識は芽生えず、また自分が何故咎められているのかも分からない、と言うことになるだろう。


 はたしてそんな状況の人を、死刑にしてもよいのだろうか?


 ここでこの戦犯を死刑にすることで、得られる利益と不利益は一体何なんだろうか?


 この戦犯ちゃんの死刑を見て、戦犯ちゃんと同じように教わっていた子供たちは、果たしてどう今後の世界に影響を与えるのだろうか?


「正しいことをした『戦犯ちゃん』を殺すなんて、やっぱりあの国は悪だ」


 そう考えてしまわないか?



 戦後裁判。それはもしかしたら、もっとも難しい平和への壁なのかもしれない。

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