第2話
それから数年の月日は流れていきました。
お姫様はお妃様のお祈り通り
雪のように白い肌と黒檀のような黒髪、血のように赤い唇を持つ幼いながらに輝くばかりの美しさを持っていました。
お姫様はその肌から白雪姫と名付けられました。
そんな白雪姫に新しい母親が出来たのは七つを数えた頃でした。
美しいお妃様でした。
しかし、血の繋がらない二人はどうしても仲良くすることが出来ませんでした。
王様は困りました。
大切な白雪姫に寂しい思いをさせたくない。
そこで王様は、白雪姫をいっぱいいっぱい愛してあげました。
さらに五年が経ちました。
お妃様は王様の白雪姫への溺愛ぶりが気になりました。
親が子を愛するのは当然。
けれど、王様の溺愛は偏執的でした。
お妃様は与えられたお部屋に入り、隠してある大きな鏡に問い掛けました。
「鏡よ鏡。この世界で一番美しいのは誰かしら?」
すると、鏡は年齢も性別も分からない声で返事をしました。
『それは貴女、お妃様です』
それを聞いてお妃様は安堵しました。
『しかし、白雪姫様は更に美しくなるでしょう。貴女のお探しの魔女は白雪姫』
鏡はそう続けました。
お妃様は驚きました。
お妃様の正体は魔女でした。
お妃様はある魔女が行ってはいけない魔術を使ってしまったことを知って、その魔女を裁きにしました。
その魔女こそが今の白雪姫――以前のお妃様でした。
「自分の子を魔術に使うなんて……なんて危険な魔女。早く始末しなければ」
お妃様は急いで白雪姫を殺すことにしました。
しかし、その話を断片的に聞いていた人間がいました。
お城に仕える一人の狩人です。
「大変だ。姫様が殺されてしまう」
狩人は大慌てで白雪姫を探しに行きました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます