遣らずの雨
晴れ渡っていた空はいつしか曇り空となり、突然雨が降り出した。
「雨が上がるまでは内に居ていいよ」
彼女の言葉に甘え、俺はもう少し家にお邪魔することにした。彼女は県外の大学に受かったため、明日この家から出ていく。俺は幼馴染として、彼女の引越し作業を手伝った。いや、手伝わされたというのが正しい。
俺はソファーに座りながら、雨の様子を眺めていた。彼女ともう会うことは当分ないと思うと心がギュッとする。今更になって、彼女への恋心に気づいてしまったらしい。
このまま雨がずっと降り続ければいいのに。なんて、止まない雨などあるはずもないのに、ありもしない幻想を抱くほど心はボロボロだった。
晴れた道を沈んだ気分で歩くのは嫌だな。なら解決策は一つだろう。
「なあ、ずっとお前に言いたかったことがあるんだ」
隣に座る彼女の表情を見る。彼女の瞳は太陽のように光り輝いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます