双子の才能
私たちの名前は『紅葉』と『楓』。でも、私たちは『紅葉』も『楓』も好きではない。両親は紅葉葉楓の花言葉『非凡な才能』に習って私たちを名付けた。自分の子だから偉大な才能を持っていると思ったらしい。
でも、凡人の両親から非凡な子供は生まれない。二人とも、テストの点はいつも50点。芸術やスポーツも平均ほど。何をしても並のレベルでしかなかった。そんな私たちを見て、両親は酷く嘆き、暴力を振るうようになった。だから私たちは『紅葉』も『楓』も好きではない。こんな名前さえつけられなければ、私たちは愛されていたのかもしれないから。紅葉も楓も私たちにとっては呪いの言葉だった。
でもね、私たちは二人合わせたら最強なの。テストは二人とも正反対の場所を間違えているから二人合わせたら100点。ダブルスなどのペアのスポーツも二人なら一位になれる。しかし、両親は気がつかない。
だから私たちは『紅葉』も『楓』も好きではない。
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