先生に送る不吉な花束
私たちのクラスを最後に、今泉先生はこの学校を離任する。
学級委員長として最後にできることは何だろうか。そうだ。クラスのみんなから一人一本ずつ花をもらって花束を作ろう。今泉先生は大の花好きで教室に『健康・元気』の意味を持つガーベラを飾ってくれた。
クラスのチャットでそのことをみんなに話すと賛成多数で可決された。離任前日、事前にみんなから花を集めて花束を作る。皆、多種多様なお花を持ってきてくれた。カラフルな色に飾られたお花たち。きっと先生は喜んでくれるに違いない。
翌日、花束を渡すと先生は驚きながら受け取った。それから涙を流し、私たちに向けて微笑んだ。サプライズは大成功だったみたいだ。
そして次の日、先生は自殺した。学校からではなく、この世から離任することとなった。無理もない。私たちが作った花束は邪悪に包まれていたのだから。不吉な言葉を持つ花はこの世にはたくさんある。
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