鳥の示す予兆
老人は道端で鳥を発見した。鳥は羽から血を流し、苦しんでいる様子だ。老人は鳥を抱えて家まで帰り、介護してあげた。
数日が経ち、羽の傷が癒えた鳥は老人の腕に乗って外に出ると元気に羽ばたいていった。その日以降、鳥は老人の家の屋根に張り付くようになった。それだけではない。鳥は老人の道行く先にいつもいたのだ。
何だか不思議な鳥だな。老人はそんなことを思いながら過ごしていた。 とある朝、老人は行きつけの喫茶店に行くために家を出た。車に向かうと、ボンネットの右側に鳥の糞がついているのが見えた。何だか不吉だなと思いつつ、乗車して喫茶店に向かう。運転中、視界の悪い十字路に遭遇した。自分の道が優先であるため停車することなく行こうとしたが、何だか嫌な予感がしてブレーキを踏んだ。すると右側から車が勢いよく通り抜けていった。もし、あのまま出ていれば衝突は避けられなかっただろう。
今朝の糞は、鳥が自分に危険を知らせたのではないかと老人は思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます