世界設定を説明しよう
後半戦の山場は「竜と人間の因縁の説明」と「戴冠式での立ち回り」でした。「竜が高濃度の魔力生命体」という設定は昔適当に書いた短編からの流用です。つまり竜は資源、資源は刈り尽くされる。そんなところからこの世界の設定は回り始めました。
異世界を書く上で一番気にするのは、文明レベルです。この世界には基本的に魔法があるけど、それを発動させるのは専門の知識と気力が必要。そして聖女が崇められるなど宗教が盛ん(これ大事)。そんなところを気をつけて書いていきます。
竜と人間の因縁についてはある程度決めていましたが、竜全体の代表兼説明役として設定していたのが里長代理のコキです。彼女が女性なのは、なんとなくおばさんのほうが説得力あるかなあという理屈です。そして聖法衣を奪還させるという理由を付けるために「里長が難病」という設定があります。難病は筋ジストロフィーの魔法版、というイメージです。
ここに来て「何故ティアが傷ついていたのか」を説明する必要が出てきました。短編では「魔力を削られていた」と書いてしまったけど、それってなかなか残酷な扱いなのでは……ということでそこを膨らませて他国との衝突、北の大地から侵略者が来そうなイメージを入れてみました。こういうとき、侵略してくるのは北からって相場が決まってます。いろいろ理由は考えられますが、ここで書くと脱線になるので各自調べておいてください。
つまり、一応北の国の事情を設定しておかないといけなくなりました。この北の国ラファーガなんですが、雰囲気としては「神様なんか知るか! 人間が一番偉いんだ!」という境地に至って産業革命が起こっているイメージです。きっと捕らえた北竜の魔力のおかげですごく豊かになっています。そうなると、次に欲しいのは領土ですね……!
ラファーガのことばかり考えてもいられず、ここまでの理不尽ポイントとして「生贄の儀式ってなんやねん!」という問いにも答えないといけません。ここは作中で「そういうもんなんや!」とかなり力業で押し切りました。そういうもんです。
そしてルベリアの髪型ですが、「ここで決意のためにばっさりしたほうがかっこよくね?」というだけの理由で急遽ベリーショートになりました。ついでに「それなら生贄の儀式のときに切っててもいいんじゃない?」と後から鋏を入れるシーンを追加しました。この辺は公開に間に合ったので、こっそり直しました。
とりあえず理不尽ポイントの説明をなぎ倒し、短編ですっ飛ばした「ロメール国への帰還」をきちんと書かないといけません。ただもさもさ歩かせても仕方ないので、暴漢でも登場させてティアの見せ場を作ってあげましょう。ついでに死んだはずの聖女様が関所を通過するイベントでも書きましょう。
とりあえずロメールまでのイベントはいくつか書けたので、さっさと司祭長セイサムのところへ向かわせます。
次回、作品にも作者にも大きなトラブルがやってきます。
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