ヤンデレボクっ娘ドラゴンができるまで

 そういうわけで恋する主役2人と舞台設定を急ごしらえに作ることになりました。何しろこの時点で11月真ん中くらい。時間もないので、とりあえず2人を使って短編を一本書きながら細かいことは考えていこう、ということになりました。


 何しろ異世界ファンタジーなので、設定を丁寧に説明すると短編では字数が足りない。そこで視点を狭くするために主人公ルベリア一人称で「ドラゴンを助けたら何か掴まって処刑される件について」という感じで書き始めました。


 書きながらノリでルベリアを処刑する悪役として、司祭長と皇太子が選ばれました。とりあえずテンプレものに乗っ取って「お前を追放する!」「婚約は破棄ですわ!」みたいにさせてから「強情な娘め、更に酷い目に合わせるぞ!」となります。この時点で悪役2人の詳しい背景などは特に考えていませんでした。何か悪い奴がいるぞ、くらいにしておきます。


 とりあえずざーっと裁判~処刑までを書きながら「あ、ここは長編で膨らまそう」というポイントを押さえます。読者は一刻も早く展開を知りたいだろうということで細かい心理描写はほとんどカット。とにかく展開を考えます。


 書きながら「概要」として簡単なキャラ設定とこの先の展開をメモしていきます。概要は大体3千字くらいになりました。ちなみにこの概要、今見ると結構別物です。この突貫工事の概要を丁寧に整えていく、というのがこれからの課題になります。


 さて、ここで助けた竜がやってきました。この辺は「助けた亀に連れられて竜宮城へ行ってみれば」くらいの感覚です。異類婚の基本は「助けたら助け返される」です。


 実はこの段階でティアはまだ女の子という設定でした。しかし「では何故傷ついていたのか」という理由付けをするにあたり「酷い目に合わされて憎悪が人間全体に向いているため、いきなりルベリアを愛する余裕はない」ということになりました。異類婚どころの話ではありません。


 この時点で優先させるべきは「異類婚で2人がいちゃいちゃする」でした。当初ティアは一応偉い竜の娘という設定にしていたのですが、そうするとますます「人間め!」になる気しかしません。ここからいちゃいちゃに持っていくには枚数が必要そうだとなり、その設定は潔くボツにして再度「いちゃいちゃしてくれそうなボクっ娘ドラゴン」像を練ります。


 ここで「ボクっ娘」というところに引っかかりました。なんでこいつは一人称がボクなんだ!? ということでティアを「実は男の子」という設定にしてみました。すると「ルベリアに全存在を依存する共依存野郎」というキャラ設定が出来ました。するといきなりティアが「リーベ好き好きぃ~」とやっても設定上では特に違和感がなくなり、ついでに外見も「ルベリアに好かれようと女の子にした」でクリアです。


 これで設定の違和感が解消された!


 ちなみに「竜」表記ですが、当初は「妖竜」になる予定でした。しかし短編の字数制限を考えて「竜でもええやん」となりました。


 次回、あらすじの完成といよいよ長編に取りかかるの巻です。


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