第37話
ある日のこと。
おじいさんとおばあさんの家に一匹の猿が訪ねてきました。
その猿はまるで人間のような姿になっていますが耳だけは何故か頭の上から出ていました。
「こんにちわ。ボクの名前はキジムナーと言います。突然ですが何やら悩みがあるみたいですね。よろしければ聞かせて下さい」
そう言われて驚いた2人は顔を見合わせました。
実は彼らもつい先日、、自分たちの孫にあたる子が遠くへ引っ越してしまったことに悩んでいたからです。
「そうじゃのう。わしらの話を少し聞いてくれるかな?」
「えぇ、もちろんです。そのためにここを訪れたのですから。さあどうぞこちらに座ってください。お茶も出しますから。遠慮はいらないですよ」
そうして彼らはその小さな妖怪に全てを話すことにした。
すると、その話を聞いたその小さな小さな少年(?)は大きな声で笑い出した。
それに驚いている2人に彼は告げた。
その子は自分たちの孫であり、最近引っ越すことになったのだと。
どうせなら見送りに来て欲しいとお願いされたので、2人は快諾した。
すると彼は、さらに驚くべきことを口にしてきた。
それは自分がこの家の屋根裏に住んでいるとのことだった。
そんなところがあったのかと驚くも直ぐにその事実を受け入れた。
何故ならば彼は不思議な存在だから。
それから数日後、ついにその時はやってきた。
出発の時間が近づき彼は自分の本当の姿を見せてくれた。
その姿はなんと可愛らしい人間の男の子だった。
彼は挨拶をしてお別れをした。
その後姿が消えたのをみたお爺さんは言います。あれはやっぱり妖精だったのだろうと。
2人の願いは叶って、あの子は幸せに暮らしました。
しかし、その話はここで終わりではありません。
なんと、また会いに来るという約束を残していったのでした。
めでたしめでたし
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