第35話

むかしむかーしあるところに、お爺さんとお婆さんの夫婦が住んでいました。

二人は仲が良く幸せでした。

そんなある日のことです。

お婆さんが病気になり寝込んでしまいました。

お医者様が言うには このままでは長くは持たないだろうと言うことでした。

お見舞いに来たお爺さんは悲しみました。

そこでお坊さんに相談をしたところ

「そうだ!こういう時はアレを使えばいいんですよ」

と言われて持って来たのが「魔法」の杖でした。

「これを使えはきっと治りますよ」

と言って渡されました。

早速使ってみたところ効果は抜群でした。

みるみるうちに病気が治ります。

ですが一つ問題があります。

「でもこれは魔法の力の源である『代償』が必要なんです」

「なんじゃそりゃ」

という訳で困った二人はとりあえず近くの川に行って水を汲んできて飲んでみることにした。

「うん、おいしい」

(これで問題なし)

「う〜ん、なんか喉の奥の方がヒリヒリするけどまぁ大丈夫でしょう」

しかし飲んだ後でとんでもないことが発覚する。

それは、水に溶けていた塩分のせいで、

体中から水分が失われてしまったからなのだ。

こうして二人とも干からびてしまいましたとさ。

めでたく無し。

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