第31話
むかしむかし、あるところに1匹の鬼がおりました。
その名は酒呑童子といい、都の人々から恐れられていました。
そんな彼の唯一の楽しみは人を喰うことでした。
そんなある日、いつものように町に出かけて人を探していると見慣れない格好をした2人組の男が現れました。
彼は好奇心から話しかけることにしました。
「よう、兄ちゃん達。俺はここら辺で噂になっている化け物の1人、なんだぜ」
「なにぃ」
すると2人は驚いた様子を見せながらも警戒しているようでした。
「なんだ、驚かないのか?」
「ああ、最近似たような奴に会ったばかりなんだ」
「なるほど、そいつとはどうなったんだ」
「喧嘩したよ」
「ほう、どんな風に負けたのか教えてくれよ」
「それは・・まあいいか、いいぜ」
「ありがとよ」
それから色々と話を聞いた。
そして2人の正体が分かった。
なんでも2人は旅をしているらしい。
そんな2人の目的はこの国を救うことなのだとか。
面白そうだと思った彼は2人に協力してあげようと申し出ると2人は喜んで受け入れてくれた。
しかし問題があった。
実は彼は仲間と離れてしまった為居場所が分からないのだ。
なので一緒に探してくれないかと頼むと快く引き受けてくれ、さらに道案内もしてくれるそうだ。
それから彼らは情報を集める為に酒場へ向かった。
そこにはたくさんの人達が集まっており様々な話をしていた。
その中にはあの大男の姿もあった。
彼らも情報収集の為にやってきたようだ。
しばらく話を聞いていると ある話が耳に入ってきた。
それはどうもこの街で暴れまわっている怪物がいるということだった。
それを聞いた瞬間彼は怒りで体が震えた。
2人もその話に食いついていたので詳しく聞くと 、その正体はなんと自分と同じ種族の者だということが分かった。
すぐにその者の元へと向かうと そこにはなんと彼がいた。
まさかこんなところで会えるなんて思ってなかったのでかなり動揺してしまったが、なんとか気を取り直して彼に話しかけた。
彼はこちらに気づくと少し嫌そうな顔をした。
しかし話をしているうちにだんだんと落ち着いてきたので少しだけ質問をしてみる事にした。何故ここにいるのかというと 仕事で来たのだと返ってきた。
一体何をしにやって来たのだろうか。
それは内緒とのことだった。
仕方がないので帰ることにした。
最後に彼にある提案をすると意外にもすんなりと了承してくれた。
こうして彼と別れた。
家に帰ってからは家族に事情を説明したが信じてもらえなかった。
次の日、街に出かけることにした。
街の人々に昨日の事を尋ねて回ったところ、やはり誰も覚えていないという。
仕方なく家に帰ることにした。
帰る途中森の中を通り抜けようとした時だった。急に大きな音が聞こえてきたので急いで音のする方へ向かう。
するとそこでは大きな男が女の子に向かって襲いかかろうとしていた。
「そこまでだ」
と言って間に入るが 全く聞いてくれない。そこで説得しようと試みるが 逆に怒らせてしまい戦いになってしまった。
結局負けてしまって連れて行かれる途中
少女が
「助けていただきありがとうございました。またどこかでお会いしましょうね」と言われたので思わず
「おう」
と答えてしまう。
そのまま牢屋に入れられて
しばらくすると迎えが来た。
そうです。
彼女は桃太郎のお姉さんでした。
お姉さんはお殿様と結婚して幸せになりました。
めでたしめでたし
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