第29話

むかしある所に一寸法師と呼ばれる者がおりました。

彼は体が小さかったためなかなか仕事にありつけず、毎日ひもじく暮らしていた。

そんなある日、一人の若者が彼に近づいてきて仕事を紹介してくれないかと言って来た。

どうも旅をしているらしく、道中立ち寄った村の宿で偶然彼が食事をとっているところを見かけたそうだ。

彼も腹が減っていたのでちょうど良かったと思い、彼を案内することにした。

しかし、いざ着いて見ると、そこには沢山の人々が溢れかえっていた。あまりの多さに呆然としていると先ほどの男が話しかけてきた。

「おい、あんたがその体で食おうとしている物があるぜ」

「それは一体何のことだい?」

男は少し笑いながら答えてくれた。

「ほらこれだよ」

その指差した先には串に刺さった肉があった。

それを見つめていると口の中が唾液で一杯になるのを感じた。

「これが食いたいなら付いてこい」

そう言って歩き出した男の後ろについていくと 大きな建物にたどり着いた。

その建物の中に入ると中には多くの人がいたが、誰もこちらを見ようとはしなかった。

不思議に思っていると 突然、大勢の人が目の前に飛び出してきて 手に持っていたものを一斉に突き出してきた。

それは箸であった。

「今日は祭りだから楽しんでいきなさい」

と皆口々に言い始めた。

訳が分からずにいるとその 中心にいた男に背中を押され、中へと入っていった。

中にはすでに美味しそうな食べ物の数々が並んであり、思わず目移りしてしまう。

そんな中ふと周りを見ると自分が今まで見たこともないような光景が広がっていた。

なんと様々な動物達が楽しそうに話しながら食事をしていたのだ。

驚いて固まってしまっていると隣に座るように促された。

恐る恐る席に着くと

「遠慮せずに食べて下さい」

と 言われてたのでとりあえず食べることにした。

どれもこれもとても美味しくてあっという間に平らげてしまう。

満足感に浸りつつ礼を言うと皆嬉しそうにして くれた。

しばらくして皆どこかへ行ってしまったので 外に出てみることにした。

しばらく歩いていると川が見えてきた。

そこで魚でも釣ろうと思って川を眺めていた。

すると上流の方から大きな桃が流れてきた。

食べてみたらすごく美味しかった

めでたしめでたし

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