第18話

昔昔あるところに綺麗な顔をしたお兄さんが住んでいました。

彼は自分の顔が凄く好きでした。

鏡に映る自分の姿にいつも酔いしれていました。

しかしある日、彼の家の近くに悪い魔女が住んでいたのです。

彼女は毎日魔法の薬を作るために動物を捕まえて解剖したり、血を取ったり、内臓を取り出したりしていたのです。

しかしいくら魔女でも動物の肉だけでは飽きてしまいます。

そこで彼女は人間の男の子を食べる事にしました。

彼女は人間に化けて夜になると外に出て適当な子を探すようになりました。

そして、とうとう彼に目を付けました。

でも、彼に目をつけたのは失敗でした。

なぜならば彼が一番最初に目を付けた相手はなんと自分自身だったからなのです。

魔女は驚きましたがすぐに気を取り直してこう言いました。

「君の顔、素敵だね。私と結婚してくれませんか?」

しかし返事はありませんでした。

仕方ないので諦めて帰ろうとした時、ふと足元を見ると小さな箱が落ちていることに気付き拾い上げ開けてみるとなんとその中には指輪が入っていたではありませんか。

これを使えば結婚出来るかもしれません。

さっそくその日から魔女は彼と結婚式を挙げました。

それからというものの二人は幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし

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