第28話


 決闘で初手を放ったのは、ルーシィだった。魔導銃の引き金を引き、強力な炎魔法を展開させる。


 だが、それもシャルロッテには通用しない。あのワガママ皇女様は、あれでも優秀な水属性魔法の使い手だ。 


 一瞬でルーシィの展開した魔法はかき消される。

 シャルロッテの魔導杖が放つ水魔法は、半端なものではない。


 シャルロッテも良い師匠に恵まれたのだろう。俺と同様、決闘場の後方に座っている女性がシャルロッテの師匠だ。

 20代前半ぐらいの若い女性だ。茶髪に茶目だが、目の覚めるような美人でもある。


 元老院派の人間だ。たしか、名前はアメリア・ゴールドスタイン。

 有名人なので俺=クラウスも知っている。五公家と呼ばれる名門の三女で、魔法学校を飛び級で卒業したという天才だ。


 その後は宮廷魔導師団に入り、多額の研究費を支給されつつ、皇族への魔法教育に携わっているらしい。


 エリート美女というわけだ。


 彼女は魔術師らしい黒いローブに身を包み、三角帽をかぶっている。身体のラインのわかりにくい服からでも、巨乳だとわかるほど胸が大きい。


 俺と一瞬、目が合った。彼女は妖艶に微笑む。

 そして、わざとらしく脚を組み替えた。ローブの丈は短めだから、白い太ももがきれいに見えて、俺はおおっと思う。


 じゃなくて……元老院派なら、俺たちの敵だ。

 だが、まずはシャルロッテ本人だ。


 ルーシィの炎魔法は相変わらず、シャルロッテに届かない。強力な光石、皇室伝統の魔導銃を使って、ルーシィの優れた才能を用いても、なお足りないのだ。


 それはもちろん、相手のシャルロッテも皇女であり、装備も才能もルーシィと遜色ないからだ。


 属性の面で、ルーシィは不利でもある。

 それを覆すのが俺の教えというわけだ。


 俺はにやりと笑う。これが俺のルーシィ成長記録の第一歩だ。


 ルーシィは押された様子で逃げて回る。いや、そう見せかけている。

 いずれにせよ、ルーシィが動くたびにピタピタスーツでラインも露わな胸がゆさゆさと揺れる。

 

 それを追いかけるシャルロッテも同様だ。二人とも恥ずかしいなんて意識は消えているようだが、興奮しているからか、乳首がぴんと立っている。


 俺はつい目で追ってしまうが、問題はそちらではない。


 シャルロッテが勝ち誇った様子でルーシィに杖を向ける。


「逃げてばかりで情けないですね」


「逃げているわけじゃないのだけれど」


戯れ言ざれごとを! ルーシィ、降参するなら今のうちですよ」


「降参? 私が勝つのに、なんでそんなことしないといけないわけ?」


 ルーシィがふふっと笑い、その笑みがシャルロッテの癪に障ったらしい。


「そんなに言うのなら、実力の差を見せてあげないといけませんね。嬲って嬲って嬲って、その後でみんなの前で裸に剥いて、辱めてあげましょうか。みんなあなたのことをはしたない目で見ていますからね」


 にやりとシャルロッテは陰湿な笑みを浮かべる。美少女はそんな表情も可愛いが、しかし、シャルロッテへの好感度は当然下がる。

 ルーシィも同様の様子だった。


「それをやったら皇室の権威に関わるでしょ? なんのために決闘しているわけ?」


 ルーシィが呆れた様子で言う。そもそも俺とルーシィの同居を不品行で皇室の権威に傷がつくと言い出したのはシャルロッテだ。

 

 そのための決闘なのに、皇族のルーシィを辱めては意味がない。

 だいいち、ルーシィ殿下が裸に剥かれるなど、あってはならない。それを行う権利があるのは、師匠の俺だけだ。


 恥じらうルーシィの裸を見て、その少女らしい美しい肢体を独占するのは俺の役目だ。

 

 シャルロッテがルーシィにトドメを刺そうと、杖を振りかぶる。


「我が神は天に、我が杖は地に。――蒼き水の流れよ、清浄なる血の誓いに応え、その意をここに示せ!」


 シャルロッテの叫びと同時に、光り輝く青い魔法が炸裂する。

 最大出力で放たれたその水属性魔法は圧倒的だった。すべてを押し流すほどの暴力的な力――だったはずだ。


 ところが。

 ルーシィは一瞬、こちらをちらりと見て、そしてふふっと笑う。


 そのみずみずしい赤い唇は、たった一言をつぶやいた。


消滅ラディーレン


 ルーシィが引き金に指をかけ、そして連続で魔導銃を作動させる。

 数秒後、シャルロッテの渾身の一撃は跡形もなく消えていた。


「なっ……!?」


 シャルロッテが驚愕に目を見開く。

 全魔力を放出した魔法だったのだろう。それがあっさりと消されたのだから、驚いて当然だ。


 これが闇魔法の力。光属性魔法以外すべてを飲み込む、悪役御用達の魔法だ。

 ルーシィはそのまま距離を詰めるとシャルロッテの額に銃を突きつけた。


「勝負あり、ね」


「そ、そんな……嘘ですわっ」


「本当なんだけれど。ね、さっきあなたが言っていたこと、あなた自身にしてあげよっか。痛めつけて、裸にしたら、みんな喜ぶかしら」


 ルーシィがとっても楽しそうな……そして、悪い笑みを浮かべる。可愛い表情だが、言っていることはえぐい。

 もちろん、本気で実行するわけではなく、脅しだと思うが、師匠の影響だろうか? 若干ルーシィが悪い子になっている気が……。


 シャルロッテは「ひっ」と悲鳴を上げて、地面に膝をつく。そして「ご、ごめんなさい……許してっ! 降参しますからっ!」とルーシィに懇願した。


 ルーシィはくすりと笑う。


「私の勝ちみたいね、お姉ちゃん・・・・・





<あとがき>

更新間隔が空いてすみません……! ☆での応援、お待ちしています!!!


R18版も最新話に追いついています!

ノクターンノベルズで四半期1位になっています!


URL:https://novel18.syosetu.com/n2029ir/

タイトル:破滅エンド確定の悪役貴族に転生したので、ツンデレ天才皇女様を俺専用のエッチ大好きな性奴隷に育ててみた結果 ~皇女様の姉もメイドも女師匠も俺に孕まされるようです~

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