第27話 皇女二人の決闘

 決闘の場は、魔法学校の決闘場だ。

 全生徒が観客として入ることができるスタジアムのようなもの。

 

 古代ローマの闘技場のような感じだろうか。


 そこに第四帝姫シャルロッテ、そして第五帝姫ルーシィが向かい合っていた。


 観客たちは大盛りあがりだ。なんといっても人気の高い美少女皇女二人の決闘なのだから。


 もちろん、男子生徒の目はそれ以外のところにも目が向けられている。

 ルーシィもシャルロッテも、ピタピタの決闘用スーツに身を包んでいるのだから。


 ルーシィはもちろん、シャルロッテもちょっと恥ずかしそうだ。

 歩くたびに大きな胸が揺れる。二人の性格は似ていないが、16歳なのに年齢に比して胸が大きいところは共通だ。


 お尻のラインも魅力的。


 しかし、まあ、ルーシィが恥じらう姿も可愛いが、あまり他の男にああいう姿は見られたくないものだと思う。

 ちょっとした独占欲を覚えていることに気づき、俺は苦笑する。


 俺はルーシィの背後。いわゆるコーチ用の席で、二人の姿を眺めている。

 シャルロッテも性格はあれだが、なかなかかわいいな。金髪ツンデレ美少女とか、王道じゃないか。


 こんなこと、ルーシィに言ったら、「あなたはどっちの味方なの!?」と怒られてしまう。


 そのシャルロッテが言う。


「逃げずに来たことは褒めて差し上げますわ」


「あら、それは私のセリフよ」


 ばちばちとシャルロッテとルーシィが視線で火花を散らす。

 この姉妹、本当に仲が悪いな……。


 まあ、なんとかする方法は考えている。シャルロッテも一応はルートヒロインの一人。できれば味方にしておきたい。


 今回の決闘では「勝ったほうが負けた相手に何でも命令が一つできる」ということになっている。シャルロッテが勝った場合、その権利を俺とルーシィを引き離すために使うわけだ。

 

 逆にルーシィが勝った場合、その権利は俺がもらうことになっている。

 闇魔法を教えたお礼、ということだ。


 本来、ルーシィを教えるのに報酬なんて必要ないのだが、今回はその権利をもらっておくことにした。


 重要キャラのシャルロッテを言いなりにできるのは貴重だ。

 ということで、頑張ってくれ、ルーシィ。


 もちろん俺はルーシィ弟子の勝利を確信しているが。


「決闘開始!!!!」


 審判役の女教師が高らかに宣言する。彼女はアイシャ・サリーア。ゲームでも出てくるキャラだ。

 20代半ばぐらいの美女で、露出度の高いドレスを着ているお姉さんキャラ。


 胸元の大きく開いた衣装は谷間が目立つし、ドレスにはスリットも入っている。

 主人公にも優しく接し、教え導く役だ。が、彼女も悲惨な運命に遭うことも多い。


 一番ショックだったのは、テロリストの慰み者とされそうになる女子生徒の身代わりになると申し出て、男たちに連れ去られるシーンだ。


 一晩経ち解放された彼女は全裸でぼろぼろで戻ってきて、その後妊娠・自殺してしまう。


 ルーシィのことと言い、本当に理不尽の多いゲームだ……。

 シャルロッテが魔導銃――正確には魔導杖を抜く。魔導銃は銃の形態が基本だが、杖や本などの形もあるのだ。


 対するルーシィも魔導銃を構えた。

 さて。高飛車帝姫シャルロッテが俺の教え子に負ける姿を楽しむとしよう。





<あとがき>

面白い、ルーシィ頑張って! シャルロッテへのおしおきにも期待!と思ったら

青い星での応援、お待ちしています……!




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る