第2話 1人ずつ喋ってくれ

「オレ桃野レン!大学3年でした!」


「俺は橙山ユウマ。高校2年だった」


「黒田マヒロです……ええと…23かなあ……」


「え!?同い年くらいかと思った!」


「死んでからの年足したら同い年になるんじゃね?」


拝啓、じいさん。

俺は今……

幽霊2人と自己紹介をし合っています…………


「ねーなんの仕事やってんの?オレ、マジで最後まで何すんのか決まらなくてさ〜」


このピンク髪のちょっとチャラい男は𓏸𓏸。

大学3年で、文系の大学に通っていたらしい。

人懐っこい笑顔で、もう打ち解けてる。


「お前ゲーム好き?俺の部屋ゲームあんだよ!」


このオレンジ髪の少年は𓏸𓏸。

高校2年。バスケ部。

でもバスケよりもとにかくゲームが大好きっぽくて、年相応の少年って感じだ。


「まてまて、1人ずつ喋ってくれ!ただでさえ混乱してんだから」


そしてこの黒髪が俺。

24歳の超ふっつーーーーの営業マン。

ワケあって今は恋人なし。好きな物は炒飯。


「凄いねえ凄いねえ、マヒロくんは凄い霊感の持ち主なの?」

「いや、特に今まで霊感強いって感じたことなければ幽霊見んのも初めてだよ…」


信じ難かったが、何度も目の前で壁すり抜けを披露してくれればもう幽霊だって認めざるを得ない。


「前にも何人かこの家に住もうとした人達が居たんだけど、話しかけたら金縛りとかになっちゃって。」

「しっかり霊障出てんじゃん……」


完全に事故物件だろこれ!!

じいちゃん!!!


「他のみんなにも知らせなきゃね!」


「は?みんな?」


「うんっ!この家にはあと4人の幽霊さんが住んでるんだ!」


う……嘘だろ!?!?!?!?

まだいんのかよ!?!?!?

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