(いみエモ話)新年から、この買い物かよ②近所にできた海外大型店が、おかしい。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 箱買い事件って、知っているかい?「海外大型店の買い物は、面白いよな!」それは良いけれど、こんな事件に巻き込まれたら、どうしようもない。

  (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

     ☆

 学生時代からの友だちに、町の、新しい情報をもらったぜ!

 「俺の家の近所に、海外型の大型スーパーマーケットが建ったぞ!」

 へえ…。

 友だちは、気楽に喜びすぎだ。

 大型店ができれば、リバウンドが大きいんじゃないのか?

 たとえば…。

 地元の商店街など、小さな店の売り上げが落ちるだろう。

 治安も、心配。

 かえって、町が発展できなくなってしまう危険が、出るんじゃないのか?

 とはいえ…。

 聞かされて、興味はでる。

 「まあ、良い。その店に、いってみるとするか」

 買い物に、GO!

 「いらっしゃいませ。ひひ…」

 店員らしきおばさんが、店の入口で、妙な笑顔を作っていた。

 いやだなあ…。

 そもそも、それが笑顔なのか良くわからない。

 おばさんは、どんなことにも、信用ができない生き物だ。

 「悪いやつほど、良い顔を作る」

 みたいな。

 そのおばさんって、悪の組合の人じゃないだろうな?

 そこで、事件。

 「…え?何を、やっているんだ?」

 そのおばさんが、携帯電話なのかトランシーバーなのかわからない小型道具を取り出して、会話をはじめたのだ。

 実は、声のトーンを落として、こう言っていた。

 「…店長?若い男が、やってきました。カモですよ、あいつ。危機感がなさそうな、過保護顔をしています…あ」

 しまった!

 そのとき俺は、スパイおばさんと目を合わせてしまったのだ!

 「コホン」

 おばさんは、せき払い。

 「お客様?何でもありませんよ?」

 そうとでも、言いたかったのか?

 腹、立つなあ。

 とりあえず、店の中を進む。

 「すっげえ」

 おお!

 まるで、巨大な倉庫だ。

 柱にくくりつけられていたこの紙が、面白かった。

 「あの菓子が、スーパー大特価で、お求めになりやすくなりました!」

 文の最後の、「お求めになりやすく」という箇所の下に、うすく、「お求めやすく」と書かれていたものな。

 ここで、ブレイク(休憩)。

 どうでも良い話なのかも、しれないが…。

 「お求めやすく」っていう日本語は、まちがい。

 「お求めになりやすく」が、正しい日本語だ。

 この売り場の人も、まちがえたんだろう。

 で、話を戻そう。

 「限定大セール!あの菓子 100 個が入った箱を、箱買いできます!」

 おお。

 お買い得感たっぷり。

 「これ、ください!」

 すぐ、売り場のおばさん店員に声をかけた。

 元気良くな。

 「箱買いします!」

 なのに…。

 ああ…。

 俺、もう、うれしくないよ。

 ちっとも、うれしくなくなったよ。


  (この話の意味)

 こういう店って、日本に、あるのか?

 「2度と、買い物にくるもんか!絶対に、こないからな!」

 ホント、泣いたよ。

 「箱買いします!」

 おばさんに、そう言ったらさ…。

 「箱」を、買わされたんだよ。

 「中身の入っていない箱」をさ。

  10,000円を、払わされますた。

 翌日、店は閉店。

 「あの菓子」とは何の菓子だったのか、今でも、わからない。

 ある意味、ホラー。

 エモいなあ。




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