第14話 チェックメイト

東京福生市、アメリカ空軍横田基地のメイン・ゲート。国道16号線沿いに停まった2台のハイヤー・タクシーの車内から、ミックたちは様子を窺っていた。

 ゲートのセキュリティで、ネギが口角泡を飛ばしてなにかを訴えている。

「わしや!根木屋やで!アイ・アム・NEGIYA!いつも顔パスやんけ!」

「おれが行ったほうが良さそうだな」―見かねたミックがハイヤーを降りて、ネギの通訳に入った。

「おお!ミックはん、助かるわ!」

「Hi, officer (こんにちは、将校さん)」

「I’m not an offcer (私は将校ではない)」

「わかってるってば。社交辞令じゃんか。ネギちゃん、なんていえばいいの?」

「なんもかんも!いつもわし顔パスやねん。だいたい昨日もイタリアからここに着いてんねんで?しやのに、今日はわしを入れひんねん!どないなっとんねんって聞いてくれる?」

 ミックが英語で門番兵に掛け合った。

「この人は根木屋財閥のミスター根木屋圭介。彼はいつも超法規で基地への出入りが自由なはずだと言うんだけど?」

「申し訳ないが、そのような連絡は受けていない。いまも本部のアポイントを確認したが、あなた方の通行IDは発行されていないので、立入は出来ません」

「ネギちゃん、通行IDがないからダメだってさ」

「あるかい!そんなもん。顔パスゆうたら顔がIDゆうこっちゃろ?」

「本部の許可が出ないって」

「そんなアホな…あ、ジョニーやんか。おーい!ジョニー!」

 ネギが、ゲートの向こうからジープで走って来る背広の白人に手を振った。

 ネギが「ジョニー」と呼んだ男は、門番になにかを囁くと、ネギとハグをした。

「ジョニー!なんやの、ほんまに!」

「ワタシ、チョット、特別シマシタ」

「ああ、ミックはん。こいつ、ジョニーゆうてな。わしがいっちゃん仲ええ基地の管理職やねん。ジョニー、これミック」

「Hi, Johnny(こんにちは、ジョニー)」―ミックがネイティヴの握手を交わす。

 ミックの発音で日本語でなくとも通じると判ったジョニーは、すぐに英語を返した。

「おお!助かるよ。私は日本語苦手で。Johnny Strike(ジョニー・ストライク)だ」

「おれも日本語は苦手さ。日本人だけど元FEZ (FBI野郎)だから」

「なんだって!クールだな!さあ、とりあえず中に入ってくれ。仲間のみなさんも」

 ハイヤーを一台返して、デカ、ジョー、キヨカがいる一台のハイヤーは、ミックとネギを乗せたジョニーのジープに続いて基地内を進んだ。

 ジョーが、目を丸くして車窓を流れる基地の風景に釘づけになる。

「すごき陣地のさまなり!ここは亜米利加にござるな、デカ殿!」

「横田基地は、日本で沖縄の次に大きな米軍基地だからな」

 先導するジープに乗ったネギは、ジョニーを案じた。

 「しやけど、なんで急にあかんようなったん?わしが好き勝手し過ぎてジョニーがマズイ立場になったんか?」

 ネギとジョニー、ミックの話は同時通訳と英語がミックスされた。

「いや、そうじゃない。今日付けで命令系統が変わったんだ。私も知らないうちにね」

「それまでは?」

「簡単にいえば、上のほうは民主党系だったんだ。それが共和党ネオコン系になったってわけ。でも、ここでの私の裁量は小さくないから、ヘンテコな格好をした日本人がゲートで騒いでると秘書から聞いたんで、お出迎えしたんだよ」

「あははは!確かに、普通でも警戒するよな」

「なあ、ミックはん!わしのことで笑とるやろ?」

「いや、とにかく。ネギちゃんの顔パスが急に通じなくなったのは、アメリカの政治事情が関係しているみたいだね」

「まさか、それもマイスターQの仕業なんか?」

「マイスターQ…?」

 表情を変えたジョニーが、ジープを一時停止させた。

「ネギ、いまマイスターQと言ったのか?」

「ああ。君も知ってるの?」

「いや、存在だけは耳にしたことがある。私でもアクセスできない最重要機密のひとつらしい。なぜ君たちが、その名前を…?」

「どう答えればいいか」と、ミックが答えあぐねる。

「ミックはん、ジョニーは百パー信頼できるやっちゃで。なんか情報あるかもしれへんし、ゆうてもえんちゃう?」

「ネギちゃんが、君は信頼できる男だというから話すけど」

「ありがとう」―ジョニーが短く敬礼すると再びジープを走らせた。

「おれたちは、いまマイスターQと戦争中なんだ」

「クール!マイスターQってのは、どんな組織なんだ?」

「マイスターQはA.I、人工知能だよ」

「なんだって?!それはFBIが関与しているのか?」

「いや、おれは日本じゃ私立探偵なんだけど、ある依頼案件でマイスターQとぶつかったんだ」

「そうか。全部を話すわけにはいかないんだが…どうやら、わがアメリカ国防省でも人工知能開発の推進派と規制派が、水面下でつばぜりあいをしているらしい」

「アメリカが開発したのかな?」

「詳しくは中間管理職の私では判らない。ただ、ミレニアムを機に始まったことは確かなようだな。いまやスマートフオンも空気と同じになったから、たった20年前のことを人間は忘れているのさ」

「ミレニアム…西暦2000年」

「まあ、ネギの友達なら私の友達だ。ミック、なにか困ったらいつでも連絡くれ」

「ありがとう、ジョニー」

 ジープは滑走路に近いコースで停まった。

後続のハイヤーもそこで停車し、ジョー、デカ、キヨカが降りる。

「デカ殿!籠(かご)代はドル札でござるな?ドルをお持ちか?!」

「…いや、日本円だろ。運転手さん?」と、デカが聞く。

「根木屋様は年間契約ですので、この場でのお支払いはありません」

 運転手は恐縮した笑顔で一礼すると、車をゲートへと引き返して行った。

 ミックは、探偵たちをジョニーに紹介して、マイスターQとの戦いを始めた仲間だと話した。

「Wow! Five Detectives! It’s a D5 right ?」―ジョニーが両手を広げた。

「なんてゆうたん?」

「5人の探偵ならD5だろ?って」

「D5!カッコええやん」

 ジョニーは駐機するヘリコプターに5人を案内した。

 その2時間後。

 夜の北大平洋を、ヘリポートを備えた大型クルーザーが航行する。

下品ではない程度に豪華な電飾をあしらったデッキには数人のボーイが往来し、晩餐の準備が整えられていた。

 満天の星空の下、ダイニングテーブルについた5人探偵。卓上に次々と並べられる高級そうな料理を、ジョーが真剣な眼差しで見ている。

「真(まこと)、豪勢なる西洋料理!拙者には初(うい)なり!」

「あんな、ジョーちゃん。話してもええか?みんな、避難場所をこのクルーザーにしたんは理由があんねん。キヨカちゃんは判るやろ?」

「ああ、助かるよ。ここなら衛星直結の通信が拾えるからね」

食卓にノートパソコンを持ち込んだキヨカがインターネットを起動させた。

「まあ、みんな食べてや。食べながら仕事したらええねん。腹ペコやろ?」

「ベコベコにござる!先刻の立ち回りゆえ道理!」―ジョーが早速、目の前のロブスターに食らいついた。

「ネギ殿!美味極まるザリガニにござる!」

「…ロブスターゆうてな、大っきい海老さんね。ザリガニちゃうで」

「Well…まず、戦闘中もデータ追跡してくれたキヨカから、いままでの収穫を聞こうじゃないか」

「うん。とりあえず、軽いところからいこうか?影山がスカウトした劇団・七星野の件だけど」

「元は山根君の劇団を変名させたやつだな?」―デカは水だけを口にしている。

「セブンスターガイと読ませる劇団名は七星野郎…日本語で読むなら“ナナホシヤロウ”になる。これをデジタル的に音読みすれば?」

「音読み?…七星野郎。シチ・セイ・ヤロウかな?」

「そう、だからローマ字に変換すると…」

 キヨカがパソコン上のメモパッドにローマ字を打ち込んで見せた。

『SHI・CHI・SE・I・YA・RO』

「アナグラムだな!並べ替えるとSEIICHI/ YASHIRO…八代誠一だ。ひとつ余るIを、苗字と名前の間に入るスラッシュとすればピッタリだ」と、ミックが人差し指を振る。

「いや、強引ちゃう?けったいなマイスターQの計画やし、けったいなんは判るけどやな。なんで、そんなややこしいことすんねんな?」

「Good point (いいとこ突いたね), そこだよ。この事件全体を通して見えるのは、マシンの緻密な計算の割に、いい加減な人間社会とのチグハグさだと思うんだ」

 そのミックの示唆を、デカが継ぐ。

「確かに。あのヘルメットの男たち、実弾の戦闘経験があるのは2人だけのようだった。ひとりは銃の構え方からして自衛隊員、もうひとりは国外の傭兵経験があるはずだ。しかし、仮におれたちを全員殺害する計画なら、あんな程度の低い兵隊を使うとは思えないんだが」

「そうだね。おれが考えるに、たぶん、マイスターQは誤差を計算しようとしているんじゃないかって。コンピューターは現実社会を感覚的には知覚できない。すべてを情報から読み取るしかないんだ。誰がカネで転ぶのかは、ビッグ・データの中から資金需要の緊急性が高い人間を選ぶことができる。戦闘要員も、自衛官データ、傭兵としての渡航歴やシューティング・ゲームなんかのプレイ履歴からだって抽出可能だ。でも、その人間の性格までは情報からは判定できない」

「そやな。いざとなったらびびりよるなんて、機械には予想できひんもんな」

「人工知能には、バーチャルのゲームで標的を撃つことと、人が人を撃つことの差が判断できないのかもしれんな」―デカが無常観を覗かせた。

「そう思う。マイスターQが2000年問題のなにかの原因で生まれたプログラミングだとする。だけど、現実社会に手を出すようになるまで、15年間のデータ解析が必要だった。それでも、まだ不完全だ。だから、あえてチグハグな組み合わせを試しているんじゃないかって思うんだ」

「計算と現実の、誤差の修正ねえ…」

そう言いながらネギは隣のジョーを見やる。

ジョーは真鯛のカルパッチョをハムスターのように頬張っている。

「…ジョーちゃん、和牛ステーキもいったらどや?」

「拙者は畜肉を食さぬ。穀物、野菜、魚で事足りる!」

「さいでっか」

「おれたちもチグハグな組み合わせってわけだな!」

デカが笑い、みんなが乗った。

「それよりも…最後に、48時間の謎が残ってるぜ。おれはなんとなく推理ができてるけどね」と、ミックが食前酒のシェリーを口にする。

「そういや、ミックはんのゆうた通り、マイスターQは劇場の後半戦に出てきいひんかったな。デカはんも、マイスターQはまだ再起動してへんゆうてはったよね?」

「ああ。マイスターQは、世界中のインターネットを自在に操作できる人工知能だろう。しかし、逆にいえば、世界中のどこからでも接触可能ということだ」

「その通り!インターネットの最大の利点にして最大の弱点は、インタラクティヴ…つまり、双方向ってこと。一方だけに有利に働くということがないってところなんだ」

「これだよ。マイスターQが、48時間も沈黙しなければならなかった理由は。テック・ディメンション・アライアンスの株価操作だ」と、キヨカがディスプレイをテーブルの中央に据える。

画面には、各国の株価データが並んでいた。

ミックが画面を指すと、デカは苦虫を噛み潰す顔になった。

「うむ…おれはこの分野に明るくないから判らんが」

「マイスターQがでっち上げたこの会社。ダミーというより、架空会社といっていいけど、八代誠一という創業者は世界的に有名だ。もちろん、その八代さん自身も架空なわけだけど。でも、彼が死んだというニュースが出たら?」

「うむ…株価が下落するということか?」

「That’s right !(その通り)。しかも、この会社の場合、上場していない未公開株が100兆円もあるんだ。もちろん、架空の資産だけどね」

「100兆円?!面妖な!」―ジョーが頬ばったイカのフリットを吹き出しそうになる。

「軍需産業なら、100兆円と言っても不思議じゃないだろうね。ステルス戦闘機1機で軽く2千億円を超えるんだから」

 ネギがミックを真似て指を鳴らす。

「せやったんか!架空の会社やから資金はゼロに近い。でも、企業としては有名!おそらく誰もが欲しがる株や、特に軍需産業の連中なら。そこに八代はん死亡のニュースが世界中に報道されよったら、架空の未公開株の売り買いが始まって、ただの数字やったんが現金に化けよるちゅうわけや!」

「正解」と、珍しくキヨカが笑みを見せた。

 デカが伸びた無精髭の顎を指で撫でながら首を傾げる。

「しかし…それがマイスターQの指定した48時間のタイム・リミットに、どう関係するんだ?」

 ミックが、グラスの赤ワインで口を湿してから言った。

「そう。おれたちも気がつかなかった落とし穴がここにあったんだ。人工知能のマイスターQでは、影山さんが死んだかどうかは確認できない!アセトアミノフェンを飲ませたことは確認できてもね!」

「いや、待て…マイスターQはなんらかの方法で、常に影山氏と通信をしていたはずだ。踊らせていたんだからな。それなら、マイスターQは、影山氏からの返信が途絶えたら死んだと判断するんじゃないか?」

「コンピューターが人間の死を判断するものは、死後のデータだけだよ。人間が脳死したかどうか、つまり完全に死んだかどうかは、死体のそのものを見なければ確定できないからね。まして、毒が予定通りに影山さんを殺してくれる保障もない。絞首刑になっても生き残っちゃう場合もあるのが人間だからね。確実に彼が死んだかどうかを確かめるのは人間の手を借りないとできない。その上、世界的IT企業創業者・八代誠一が死んだことを、誰かに発表させないとならない」

「なるほど、そのために預言者という生身の人間としての代理人が必要だったのか」

「ミック殿!申されておることが、拙者には皆目、解せぬ!」

「じゃあ、簡単に説明するよ」

「かたじけない!」

「八代誠一こと影山さんが死んだことが公表されれば、未公開株の売買が始まるはずだ。そして、架空の資産は現金化される。だけどそのためには、最終的に、誰か人間が銀行に行かなきゃならない。こんな巨額の現金はATMでは扱えないからね。それにオンラインで小口の資金移動を繰り返せば、いまはテロ規制も厳しいから危険だ。キャッシュを引き出すには、口座名義人本人、または代理人の署名が必要になるわけさ」

「然して!なぜ、それが48時間に関係するのでござるか?!」

「キヨカちゃん、マイスターQはすべての情報をシンガポールに集めてたんだよな?」―ミックがグラスを向けると、キヨカがデータベースを操作した。

「ああ…おれたちへの着手金やすべてのカネ…元は全部ただの架空データだけど、八代誠一の全資産が置いてあるのもシンガポールの銀行だ」

「日本とシンガポールとのフライト往復時間は約14時間。おれたちが48時間以内に事件を解決すれば、1日半の時間的な余裕がある。その間に現金化をすればいいんだ」

「なんで、わざわざ日本から人間を飛ばさなあかんねん。マイスターQの部下は外国にはいてへんのか?」

「この架空資産の操作をしている間にマイスターQが起動していたら、情報がハッキングされる危険がある…。横田基地のジョニーも言っていたように、マイスターQを巡って、すでに政治的な対立もあるくらいだから、狙ってくるやつはいるだろう」

「ああ。架空資産を現金化したら、そのぶん銀行の金庫から現金が減るだけのことになるから偽装が発覚する。もともと存在しないカネを出すわけだからね。換金を無事に完了させて、それを各国の銀行に移動させるまで、マイスターQにつながるすべての回路は閉じたほうが安全だ。だから、人間を飛ばす必要があった」

「そしてマイスターQを裏切らない、現在の代理人が…あの預言者ということか」

 満腹になったジョーが眠そうにしている。

「所詮、影山殿は金子の諍いにて殺(あや)められた」

「人間が戦争を止めないわけだ…世界で最も儲かる商売だからな」―デカが空になった水のグラスをテーブルの上で回した。

 ミックがボトルのワインを薦めると、デカは無言でグラスに受け、一気に飲み干した。

「ふざけた話だ!機械がカネのために人を殺すなんて」

「ああ。マイスターQは計画を作れても、それを実行するのは人間だ。人はカネで動く。そのことを人工知能として学習し、実験して、データを収集すると同時にキャッシュも調達したってことだろう」

「なるほど。八代誠一の死亡事件を公表させるためには、カネで動く民間人で、なおかつ守秘義務を課せられる探偵という職業を使うのが効率的だった。まあ、おれたちを選んだことは、Qの大きな誤算だったということになるが」

「せやね。人間がカネで動くっちゅう学習をしたマイスターQやから、わしらトップ5の探偵なら、当然、高額報酬を断るはずがないと思いよったんやろ」

「しかし…考えてみれば、われわれはそういう世界に生きているんだ」―デカがテーブルのマスカットを千切って一粒食べた。

「なあ、この星空を見てみろよ。太陽があって地球の引力があって、水と酸素があって植物と動物が酸素と二酸化炭素を交換して生きている…これがリアルだ。ところが、誰かがニセモノで世界を動かせることを発見した。数字だけで膨らむカネをかき集めるためには、手段を選ばないようになったんだ。マイスターQが人間の思考や行動から学習して、今回の事件を計画したなら、その真犯人はわれわれ人間ということになる」

 船上に一間の沈黙があって、波の音だけが聞こえた。

 ミックが「Wait a minute.(ちょっと待て)」と呟いた。

「キヨカちゃんが教えてくれた、コンピューターの停止問題ってやつがあったよな。コンピューターは計算不可能な問題を永遠に解き続けるって…」

「ああ。電源を切るまで計算を続けるんだ」

「だとすれば、なぜ人間はカネのために、戦争で殺し合いを続けるのか…この謎を計算し終わるまで、マイスターQはこれからも世界各地で停止問題を解き続けようとする…つまり、人間の殺し合いを永遠に続けさせるってことにならないか?」

「それは軍需産業の永遠の繁栄になるってわけか…」

 デカがふと左手首のブレスレットに目を落とした。

くすんだ銀の光を湛えるその輪は、22口径の弾丸をくい止めたことで流麗な円形を歪ませていた。

 ミックがデカの肩に手をやる。

「それ…直子さんの」

「ああ。直子が守ってくれたんだな。おれは彼女を守ってやれなかったのに…」

「これから守っていけばいいさ」

「これから?」

「残念ながら会ったことはないけど、直子さんは素晴らしい笑顔のレディだったんだろ?」

「とびきりさ…おれを笑わせたんだから」

「こんな世界にだって、直子さんと同じ笑顔の人たちは、きっとまだいるよ。それを守っていけばいいんだ」

「…ありがとう、ミック」

 ネギとジョー、キヨカが微笑んだ。

「そや!とりあえず、今回の事件解決に乾杯や!」

 5人の探偵はグラスを掲げた。

 船は、心地良い波音をさせながら、蒼く明けようとする水平線の彼方に遠ざかった。

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