本屋――貴族の三つ巴的上下関係について
本屋で立ち読みをしながら考える。
貴族の爵位における上下関係は、軍隊のそれとは異なる件。
上岡龍太郎辺境伯がいるとする。
横山やすし伯爵は上岡辺境伯の臣下とする。
この場合横山は上岡を崇める。
横山の臣下に島田紳助男爵がいるとする。
この場合島田は横山を崇める。
しかし
島田は上岡の直臣ではない。
したがって島田は上岡に横柄な態度をとる。
「おぅおっちゃん」
なんて言ってしまったりする。
だが上岡は何も言わない。
何故なら偉いから。懐が深いのである。
島田も上岡が辺境伯なのは知っている。
だから最低限の礼儀は知っている。
しかし臣下ではないのでフレンドリーな対応なのだ。
これが貴族たちの関係なのである。
爵位が上でもすべてひれ伏す訳ではなのだ。
ところで島田が上岡をおっちゃん呼ばわりしてるところに
横山やすしが着たらどうなるのか。
「おっちゃん今日もゴルフかいなー」
「せやで。あ、誰か来たな」
「あ! 上岡様! お世話になっております」
「(げ! 横山様!)」
「おう、久しぶりやな」
「(ふぁあああ?! まじかおっちゃん?! 死ぬ気かおっちゃん?! フレンドリィすぎやろおっちゃん!! なぐられるで?!)」
「はい! 暫くご無沙汰し申し訳ありませんでした!」
「かまへんかまへん。忙しそうで何よりや」
「ありがとうございます! ……おう紳助、お前もゴルフか? 上岡様の邪魔にだけはなったらあかんど」
「へ、へい横山様!」
「ではお先に失礼します」
「おう、ほなな」
「(……まじかよ……あの横山様があんなぺこぺこして、このおっちゃんやばない?)」
なんて感じになる。(リアル話)
そういうお話を伝えてくれる活字は最高。
そんな活字をたくさん売っている本屋、いいよね。
そりゃ店員も頑張って本の売り場づくりにいそしむわけだ。結構結構。
なんて思いながら、さっきからじっと見つめ続けてくる店員に立ち読み時間五時間越えの私は微笑むのであった。
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