第32話
「おはよ〜。今日の朝ご飯何?」
「おはよう。今日は時間なかったからサンドイッチ」
どうやら昨日から機嫌を取り直してふつうに起きてきた。良かったよかった。
「昨日はごめんね。私が悪かった」
「いやいや、僕も悪かったと思ってるよ。今日はバスケ部行くしよろしくね」
「来てくれるの!?よかったぁ〜」
よし。いつもの調子に戻ったぞ。
「はーん、昨日あんなヒステリックやったのに今日は機嫌直してるやん」
そう言いながら二条さんも起きてきた。
「うるさいなぁ〜」
いつもどおりの朝。なんて清々しいのだろう。こころなしか鳥もピヨピヨと鳴いているような気がする。
+++++++++
やっと授業終わったぁぁぁぁ...
いつもより長かった気がする。どうせ中1の範囲なんて全部知ってるしもう全部寝たいわ。評定さがるからしないけどさぁ。
「今日は部活体験バスケ部いくの?」
華音が話しかけてきた。
「そうだよ。華音は今日もテニス部?」
「そっ!もう先輩にも名前覚えられたんだよね〜」
「すごいね!」
俺も頑張らないとな。華音にも負けてられない。
「じゃあ着替えてくるからまた明日〜」
「またね!」
更衣室まで遠いのは不便だがバスケ部の集合場所まで近いのはありがたい。総合的な移動距離はあんま変わらないしね。
都会から少し外れたところにあるかっこいい校舎に多機能体育館、グラウンドも人工芝と砂で別れてる。なんて素敵な学校なのだろう。
などと考えてるうちに更衣室までついた。
さっさと着替えて早く部活体験に行こう。
制服もセーターで着やすくかっこいいし体操服もかっこいい。シャツはダサいから上だけジャージにする必要があるけど。
どこをとっても来てよかったと思える学校。ひとつだけ欠点があるとするなら先生含む女性が男慣れしていないところかな。
そんなしょうもないことを考えていると、一つなにかがキランと光った。掃除用ロッカーの上に光を反射する何かがあるらしい。
「なんだろ」
ビー玉とかかな?取ってみよう。
身長が届かないのはジャンプで補強しよう。
「んっ」
取れた。なんだこれ...小型カメラ?
え?盗撮?
握りつぶすべきか?先生に報告するべきか?どうしよう...
先生に報告したら部活体験に遅れてしまう。でも報告しないと再発して裕翔とか男性の先輩に迷惑をかけてしまうよなぁ。
姉さんにまた怒られちゃうけど...しょうがないな。泣く演技でもして許してもらおう。
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