第31話

「ちょっと奏音」


 姉さんが帰ってきてただいまも言わずに俺の元へと駆け寄ってきた。

 しかも期限の悪そうな声で。


「なに?」


「なに?じゃないんだけど。なんで今日の部活体験吹部いってんの?バスケ部じゃないの?」


「あ〜...」


 そうね。そうだね。姉さんはキレてくるよね。うん。ごめんなさい。


「ちょっと前から吹部とバスケ部悩んでるって言ってたよね?」


「言ってたけどバスケ部と悩んでるっていったじゃん。なんでバスケ部先じゃなくて吹部先なの?」


「なんとなくです。ごめんなさい。」


「へぇ〜〜〜。昨日から椛と仲良さそうにしてたもんね?そりゃ椛を取るよね?」


「椛姉さんは関係ないよ」


「ほら!今までお姉様だったのが姉さんに変わってる!!」


 あぁ...やっばいわ。墓穴掘りまくってる。


「ん〜?なに口論してるん?」


 噂をすれば二条さんも帰ってきた。今帰ってこられると火に油なんだが...


「椛!なんで今日吹部に行かせたの!?」


 やば、姉さんヒステリックになってる。


「しらんで?なんか知らんけど奏音くんがきたんや。入れ知恵もなんもしてないで。そもそもなんか入れ知恵するなら楓が怒るし吹部じゃなくバスケ部にいかせるしな」


「椛ならそうするか...てかなんで奏音が椛のこと姉さん呼びになってるわけ?私だけの特権だったのに」


「部活体験のときにそう言わせるようにしたんや。遠いけど親戚やしな?」


「はぁ。ありえない」


 そう言って姉さんは二階へと上がっていく。

 こういうときはちょっと冷やすほうが良いかな。


「なんやったん?」


「さぁ...ご飯作ってきます」


「うい〜〜〜〜」









___________








Kae:弟と喧嘩してしちゃった...


一ノ瀬綾瀬:自慢スカ?えぇ?


Kae:椛とも喧嘩しちゃったしどうしよううううう


一ノ瀬綾瀬:別に椛は今対して重要じゃない。なんで喧嘩したの


Kae:部活体験で吹部いってたから


一ノ瀬綾瀬:え、なにがわるいの?


Kae:いやそうなの。でもなんで先にバスケ部じゃないのかなって


Kae:単純なやつあたりではある...


一ノ瀬綾瀬:そりゃ楓が悪いね。土下座してきな。


Kae:どーしよ...


一ノ瀬綾瀬:土下座!土下座!土下座!


Kae:黙りなさい。もっとマシな提案を


一ノ瀬綾瀬:今日は寝込んで明日何もなかったように話しかける。これで良いんじゃないんですか。


Kae:もう今日は奏音パワーをもらえないのかぁ...


一ノ瀬綾瀬:いいなぁああ。私も奏音くんの力ほしいいいい


Kae:あんたなんかにあげないよん





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