第17話

「Aクラス親睦会も兼ねて私の家でパーティーするんだけど奏音くんもこない?」


 華音さんがそう誘ってきた。

 これって恐らく社交界...ってやつ?それなら母さんに聞かないといけないよなぁ。


 ...でも、ちょっと行ってみたい。


「お母様にきいてみるね」


「はーい」


 幸い終学活後のため電話はできるがここではごちゃごちゃしているので男子トイレに移動しよう。


prr prr


「もしもし、母さん?」


「どうしたの?いきなり電話してきて」


「今日クラスの親睦会?パーティー?に誘われたんだけど...行っても良い?」


「全然いいわよ。でも、服は楓に決めてもらうこと。わかった?」


「わかった。ありがとう」


「感謝されることなんてないわ。じゃあまた」


「はーい」


 よっし、華音さんに返答しよう。


「許可もらったから僕も行くね〜」


「ほんと!?じゃあみんなにもいっとくね!」




***




「ってことで、パーティーに行くことになったんだけどどんな服で行ったらいい?」


 俺は帰ってきて姉さんに事の顛末を話した。


「うーん...服装指定がされてないならこれかなぁ。いやでも奏音が来るってことは多少おめかししてくるかもしれないし...」


 姉さんはとても悩んでいる。


「まあどっちでも対応できるようなこれでいっか。かっこかわいいし!!」


 そういってスマートカジュアルな服を出してきた。てか俺用の服ってこんな有ったんだ。


「ありがと、すぐ着るからちょっと待っといて」


 制服を脱いで着替える。正直こんなの俺に似合うのか?とか思ったりしなくもない。


「奏音って...外でもそうやってるの?」


 姉さんが不安そうに聞いてきた。


「そうやってる...ってどういうこと?」


「他の人に肌を見せるようなやつ!そんなんしてたらいつか襲われるよ???」


「いやしてない!姉さんだけだよ」


 そんな痴女の男版みたいなことしないしない。姉さんは家族だから信頼して着替えてるだけ。たまに獣のような目になってることは気にしない気にしない。


「よかったぁ〜...私の奏音だからね、どこもだれとも知れない奴に襲われるなんて死刑じゃ収まらないし!」


「はいはい。姉さんあっての僕だよ」


 そんな話をしているの着替え終わった。


「おー!!かわいいいいいいいい!!!!!」


 姉さんは目をハートにして写真を取りまくっている。恥ずかしい。


「これで行っても大丈夫?無礼じゃないかな?」


「うんうん!!」


 よっし、これで行くか。


「あ、ちょっと待って」


 そう言って姉さんは別の棚からネックレスと時計を持ってきた。


「はいこれ、GPS入りのアクセサリーだから絶対つけとくように!!」


「はーい」


 GPSか...まあ別にパーティーに行くだけだし良いか。もし誘拐されてもなんとかなるし。


「じゃあいってくるね」


「いってらっしゃい!」

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