第20話 すずらんの風
すずらんの風とはすずらん学園高校の二年生に転校した御ノ
ゴールデンウィークまでにあと三人部員を集めないと廃部になってしまう。クラスで声を掛けてくれたクラスメイトに声を掛けるが、いつの間にか四月の末になってしまう。
絶体絶命のピンチに陥っても琴葉に危機感は無い、募集のビラを配ったりポスターを貼ったりしていたが、なぜ自分がこんなに苦労しないといけないのか分からなくなっていく。
コミュニケーション能力が皆無な琴葉を司は放っておけず、ついに迎えた五月一日。写真部の部室の前に二人の女の子とクラスメイトの男。
「司ちゃんが気の毒だから、こっそり部員集めておいたぜ」
この女の子たちと琴葉が攻略対象なのだが、案外このクラスメイトの
一部の熱心な攻略者は司と誠を引っ付けようとするが、ちゃんと開発者はその辺の意図は汲んでいるようで、隠しルートが存在しているとかいないとか。
「知ってますよ。ギャルゲーですよね。女の子もよくやっているって聞くし」
「琴葉ちゃん」
「ヒロインの子ですよね」
「そうなんです! もしかしてまだ攻略中ですか?」
「裏ルート以外全ルート攻略しましたよ」
「その
夏月ルートは少し難解である。活動的な
もちろん間違えた先の女の子の可愛さたるや素晴らしいのだが、そこを目指すのには攻略サイトを参考にしたいところ。
だが、開発者は攻略サイトを見て欲しく無いと、サイトを見つけては削除をしているという噂が囁かれるくらい攻略サイトが無い。
このすずらんの風は夏月へ超難関のギャルゲーなのだ。その点、琴葉や遥のルートはえらく簡単である。
「お姉ちゃんが嫁いでしまって、攻略も聞けずにほとほと困ってて、もし良かったらなんですけど、手ほどきを得たいと思っているのですが」
ん、なんだこれ。
お家イベントだと?
良いな、これは良いぞ。一日しっぽり鈴香のお家でゲーム三昧。
おっほー、これは良きイベントですのう。
ちなみに夏月はお泊まりイベントを二回して、遥を選んだ後に誠でセーブをした後に涙目ですがる琴葉を見限って、夏月にいってデートをした後に…と中々面倒な手順を踏まないといけない。
選択をするのに五秒以内に選ぶ作業をしないといけないシーンもある。
「掛川さん、美術部の指導がありますので、次の次の日曜日はいかがですか?」
了承し、お昼に一時間掛けてしまった。
慌てた児玉先生が携帯を出して授業までに時間があるけど、用意が必要だと言って食堂を出て行った。
来来週、独身の若いおなごのお家にレッツゴー。残念だな合コンの男ども、お前たちより先に児玉家の城を落とすぞ。
いやいや、こんな言い方をするとまるで私が児玉先生をいただきますすると誤解をされるかもしれない。
顔が緩み過ぎると校長先生に怒られるかな、メッて言われるかな。
いいですな、ちょっと困った顔で言われたい。
校長先生に児玉先生と美人がいると活力がみなぎりますな。
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