第2話 カナデちゃんと
もうやめ時なのかな。
ゲームの世界。
働く自信はない、この大学二年生で辞めてからの二年間。
定期的に通ってくれる友人はいるが、いつまでも彼女を拘束出来ない。
せめて家の外に出よう。そうしたら、家の中まで来てくれるかもしれない。
自分の思考が危ないことくらいわかっている。でも希望はそれしか無い。せめてあの子の顔を窓越しでは無く、ちゃんと見たい。
もうそろそろ通る頃だ。
「カナデちゃん、待ってよ」
「もう遅いよー」
楽しそうだな。私にも忘れているだけで、あるかもしれなかった過去。
カナデちゃんがこちらを見た。
「こんにちは」
「こんにちは」
カナデちゃんの
「カナデちゃん、行くよー」
「お姉さんまたね。ちょっと待ってよ」
お姉さんまたねか、尊みがあふれるな。体が熱い、熱では無く興奮だ。
これで合法的にロリを家に入れる計画が始まった。
まずはお姉さんから始めて、挨拶をし出すと向こうのお家からお世話になってと挨拶されて、そのうちご家族でお家にきて、預かって欲しいと言われて、寝顔にキス。
「風呂入ろう」
今度、カナデちゃんと会うときは風呂に入ってからにしよ。
風呂から上がるとパソコンからアラームが鳴っている。小清水からだった。
今、更新があってガチャ回したら、メサイヤの教典が手に入るかもって。
メサイヤの教典は光属性しか装備出来ない。私が持っている光属性は大事に育てたキャラクターしかない。
とにかくガチャを回そう。確率アップの宝珠を買いまくってつぎ込んだ。ダイヤ五千個爆死。
SNSを見ても当たったという報告は無かった。ただの噂だったのだ。見事に踊らされた。
「ごめんなさい。僕が更新情報を公式じゃないのに緑さんに送ってしまって」
ダイヤは百個で五千円だ。
お父さんのカードだが、怒るかもな。
小清水の言動を信用した私もバカだな。
責めたくない。私も確認すれば良かった。ショックが大きくて私はウィンファンを閉じた。
ちゃんと起きてみよう。
長々と続いた昼夜逆転生活はやる気に満ちていても続かないが、朝と夕方にカナデちゃんが家の前を通る。
柱にもたれていようか。自転車にまたがろうか。それともタバコ、タバコはやめたんだよな。
「お姉さんおはようございます」
「お、おはよ」
「今日もお仕事頑張ってください! 私も学校頑張ります」
あー、幼女独特のしっかりしないといけないのに可愛い感じ尊みで頭がおかしくなりそうだ。
これを帰りも見守る。一日中暇な人と思われたらどうしよ。
「小清水さん。おはよ」
「あいちゃんも私のことカナデちゃんって呼んでよ」
小清水? いやいや、まさかね。
「小清水さん行くよ」
「分かったから、引っ張らないで」
「あ、あの。カナデちゃん。お兄さんかお姉さんいない?」
「双子の妹が、ごめんなさい。この話したらダメって言われてますのです」
ますのです。可愛い。
「行ってらっしゃい」
「お姉さんも行ってらっしゃい」
私は家の中に入った。いや、まさかな小清水って、確かに女の子でもおかしくない声だった。でもすぐ近くにいるなんてそんなこと中々ないでしょう。
パソコンが鳴った。きっと私を呼んでいる。
「姉貴が家を出た。緑さんチーム戦出来る?」
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