第102話 ダビン港街解放
父ティモンの下に向かうと、そこからダビン港町の戦闘が見えた。相変わらず自爆特攻の攻撃行なっていた。それを見て父ティモンが、
「ヴァルグード、あれが王国軍のやり方か!
このペンダントの防御はあの攻撃に耐えられるか?」
「無論です。問題ありません」
「そうか。騎士団長!」
「はっ!ここに」
騎士団長が父ティモンも前で立て膝を付いて頭を下げる。父ティモンは騎士団長に、
「このまま、敵本陣に
それを聞いた騎士団長は、
「畏まりました。騎士は皆んな私の下に集まれ!」
と立ち上がって騎士達を集める。父ティモンも領兵に、
「今から、騎士達、騎馬隊を先行させて敵本陣に
「「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」
皆んなの返事を聞いて、騎士団長が、
「騎馬隊!用意!いざ
指揮団長以下騎馬隊が丘を駆け下りる。
父ティモンが、
「ヴァルグードはここで待機しておけ。では進軍開始!」
父ティモンに領兵が駆け足で着いて行く。
王国軍はダビン港町の城門を半円状に取り付いている為に、丘からの攻撃を想定していない様で、敵本陣は取り囲んでいる陣形から独立して後方に存在していた。
大砲や、バリスタ等の大型兵器は全て城門に向いており、
そして、リートゥス領軍の騎馬隊が敵本陣に突っ込んだ。
騎士達が持つロングソードは私の作った魔剣である為。王国軍の護衛騎士が剣を合わせても剣身が切断されその勢いのまま鎧も切られてしまい、一撃の元に倒されて行く。そして敵本陣を突き抜けた騎馬隊は二手に分かれて包囲する様に敵本陣を囲み殲滅し始めた。
少し遅れて敵本陣に到着した父ティモン率いる領兵は魔法攻撃を受けるも盾を起動させて2人1組となり防御と槍攻撃に分かれて確実に敵を
城門包囲をしていた王国軍も本陣の異常に気付き、本陣の救援に向かおうと向きを変えるその時に奴隷兵が反旗を翻した。
督戦を行なっていた王国兵士を襲い始めたのである。自爆兵は城門前に築かれたストーンウォールに影に隠れて、奴隷兵は隷属の首輪に締められながらも相討ち覚悟で王国兵士を殺害して行く、自爆兵の何人かが、
「後は、頼んだぞ!」
と言って大型兵器に特攻をかまして、兵器もろとも自爆した。それに続く自爆兵。
「みんなに、宜しくな!」
そう告げてバリスタの固定台に体当たりをして自爆する。
その自爆を見て、全ての奴隷兵が、反旗を
そんな異常事態をダビン港町の防衛している帝国軍は見逃すはずも無く、町全体の結界が解かれて、城門が開き帝国軍が反撃を始めた。
私は、結界が解かれたので、ダビン港町のエーデルトのいる城門指揮所に転移する。
「エーデルト、自分で作った結界に弾かれてしまったよ。仕方無いので、敵の砦で物資を奪って、砦を燃やして来た。次いでリートゥス領軍と合流したんだ」
「お疲れ様です。帰って来られないので心配しました。しかし、この結界は凄いですね。転移すらも通さないなんて。これがあれば防衛戦なんか人いらずではありませんか?」
「そこまででは無いと思うけど、それなりに良いものを作ったと自負しているよ。今、戦っているのは、リートゥス領軍単独だけど、大丈夫かな?」
「奴隷兵の反抗で、王国軍の戦力は無くなったに近い状態ですから問題無いと思われます」
そんな話をエーデルトと交わしていると〟外で一際大きな歓声が上がった。そして、伝令が階段を上がってきて、
「やりました。王国軍の司令官と各軍団長を捕獲したそうです。敗残兵はロデムラート砦に向けて退却して行きました」
「そうか、ご苦労さま。ヴァルグード様、下に降りて方面長と合流しましょう」
「分かった」
城門前に帝国軍が集まって、奴隷兵が付けている隷属の首輪を督戦していた王国兵士に解除をさせて町へと誘導していた。奴隷兵は獣人族が多く人族の奴隷兵は少なかったがそれなりにいた。
捕虜となった王国の騎士や兵士は武具を取り上げられて逃げ出そうとした者は容赦無く、切り捨てられていた。
奴隷兵の収容が終わり、捕虜を町の外で武装解除をしている方面長を見付けて声を掛ける。
「方面長、お疲れ様です。いや〜自分の作った結界に弾かれて戻れませんでした。でも戦利品はたんまりありますから期待してください」
「おっ。ヴァルグード君!心配していたんだぞ。無事で良かった。あの援軍は君のお父上かな?」
「そうです。父のティモン・モナレ・リートゥス伯爵です。領軍350名でこの戦いに参戦しています。もうすぐ、東の領主連合軍がこちらに来るはずです。
それで、方面長。王国軍から鹵獲した物資は何処に置けば良いですか?街に入り切らない程ありますけど、僕の空間収納スキルはかなりの大きさがあるので、この間の倉庫では入り切りません」
「あの倉庫の物資もまだまだあるのだが、ちょっと待ってくれ。代官!代官どこ行った!クルスタイン代官!」
「はい!アルヴレ卿ここです。今そっちに行きます」
手を振りながら書き物板を持って貴族服を来た茶髪の男がこちらにやって来る。
「アルヴレ卿お呼びですか」
「おう、クリスタイン卿。こちらは、援軍に来ているリートゥス伯爵の次男でヴァルグード君だ。彼の空間収納のスキルで王国軍の物資を鹵獲しているそうなので、置き場を提供して欲しいのだが何処か無いか?」
「それでしたら、港の倉庫はどうでしょう。半年封鎖されてしまいましたから、どの倉庫もマトモに物資は入っていませんから幾らでも入ると思います。商人達には、物資をいくらか賃貸料として渡せば文句は出ないと思います」
「それは良い、ヴァルグード君そちらに物資を置いてくれるか?クリスタイン卿場所を案内してやってくれ。私は、捕虜の仕分けと援軍の受け入れをしないと行けないのでな、よろしく頼む」
「承りました。ヴァルグード君、この町の代官をしている、ティアラン・バロレ・クリスタインだ。早速、案内するよ。こっちだ」
「ヴァルグードです。よろしくお願いします」
俺はエーデルトとダドリオを連れて港の倉庫に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます